じじいが予備自衛官を目指したお話 その2

何はともあれ、ラストチャンスに賭けて予備自衛官補を目指すことだけは決めた。
とは言いつつ商売柄年明けはなかなか忙しいため「その1」で記した友人に手配をお願いしただけであっという間に3月に。
そして3月の20日過ぎ、地元の地方協力本部の方からようやく一報が。
お話聞きたいのでまずは一度出頭願います、との事なので出向くことにした。
隣町の地協本は法務局の中にあり割と目立つので存在は知っていたのだがわが町のそれはおそろしく目立たない雑居ビルの中にあり、割と近所であり又隣の巨大ビルディングには仕事で何度か来たことがあるるにも関わらず言われてはじめてその存在に気付くほど、地味な存在だった。
当日ビルを見上げてみるとたしかに4階の窓には「自衛官募集」などと貼り紙がしてあるが、これじゃ誰も気づかないだろうな・・・という感じ。
緊張しつつドアをノックすると、電話の方が出迎えて下さる。
若い。せがれと大して変わらなそうな佇まいだ。
担当の方は地協本に配属されてまだ1年との事でなかなか拙いながら一生懸命、採用要綱を手に制度について説明して下さる。地協本でも今までこんなおっさんの相手した事ねーよ・・・というやり辛さもあったのかなとも思う。
受験資格については「7/1時点で18歳以上52歳未満」で間違いなく、受験は可能とのこと。また他の条件については、「この試験を受けられない者」として、
・日本国籍を有しない者
・禁固以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
・法令の規定による懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から2年を経過しない者
・日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者
・平成11年改正前の民法の規定による準禁治産の宣言を受けている者(心身耗弱を原因とする者以外)
日本人だし警察のお世話にもなった事無いし免職とかそもそも雇用もされてないし、ナントカ党の党員でもないから大丈夫そうだ。準禁治産者ってのは正直、調べてもよく分からなかった・・・そもそも禁治産者制度ってのは今は成年後見制度に変わっているという事も今頃知った。
そしてそれ以外に「身体検査の合格基準」というものがあり、男子は身長が150cm以上ないとダメらしい(女子は140cm以上)。加えて体重は「身長と均衡を保っているもの」とあり、これについては具体例が表記されている。
170cm64kgの僕は、52kg以上81.5kg未満で合格のようなのでこれも大丈夫。
さらに視力に聴力に色覚、虫歯、既往症など事細かに決められているがキリがないのでここには記さないが、ひとつ面白かったのが「刺青のないもの」という奴。さらにこれに注釈があり、「専ら美容を目的として眉又はまぶたにほどこされたものについては、この限りではありません」と・・・
まぶたに刺青・・・?
アイラインタトゥー、なんてものがあるんですね・・・
それはいいのかよ、としか思いませんが。
ま、タトゥーも刺青もありませんよ。親に貰った大事な身体ですからね。
という事で諸々問題無し。ぜひ受けさせて下さい!と、その場で志願表に記入。これはとても簡単なもので氏名に住所、生年月日くらいで学歴や職歴も不要のようだ。ただ持っている資格等については合否に関わるので全部書いて下さい、と。
ぐうたら人生で資格だ免許だって、ロクに取ってないんですが・・・
・普通自動車免許(中型免許、MT)→MTが運転できるのは時代柄それなりに売りになるらしい
・英検2級→大学受験の勢いで取れた
・日商簿記2級→電卓を叩く仕事をしてたので割と楽に取れた
・漢検2級→おっさんになってからちょっと頑張った

ショボい・・・
ま、それでも何も無いよりはマシだろう。
受験票に張る写真を撮り、この日は終了。
試験の日程等については後日連絡、という事になった。

続く。



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