じじいが予備自衛官を目指したお話 その3

予備自衛官補になるために、試験を受けることは決めた。
が、試験を受ける、なんてのは果たしていつ以来の事だろう。それこそ、就活以来という気がする。しかも今回の試験は一発勝負。
予備自衛官補の試験問題ってどんなんかな・・・とネットを漁るが、あまり詳しい情報が無い。一般曹候補試験に近いですよ、なんていう情報があったので過去問を自衛隊公式からダウンロードしてみたが、数学の問題を見てそっ閉じ・・・
これは、まずい。数学はひとつも出来なそうだ。さすがにこれは勉強しないと、と焦り始めるがもはやどこから始めていいのか皆目見当が付かない。実は数年前にあまりの数学音痴に腹を立てて小学生からやり直しだ!と問題集を買ってきたのだが、分数の割り算あたりはもう、完全にやり方が分からなくなっていて絶望的な気持ちになったものだ。
途方に暮れたまま一週間ほど経過し。受験票が出来たので取りに来て下さいとの事で再度地協本を訪問。手作り感満載の受験票には「0005」とか番号が入っており、受験者そんなに居ないのかな・・・と思う。ただ、受験者が少ない場合にはかなり遠方の基地で試験を受けてもらいます、と言われていたのだがそれは無くなったとの事でひと安心。
そしてここで試験の日程が発表。筆記試験はWeb受験で4月9日、面接と身体検査が自宅から40キロほどの駐屯地で13日とのことでもう1か月もないじゃん!とさらに焦る。試験の説明を簡単に受けるが内容については特に何も無かったので恐る恐るこちらから「試験のレベルはどれくらいなんでしょうか・・・?」と尋ねると、普通の自衛官候補生試験と同じような感じです、との事。そして面接については事前に地協本で予行演習をして下さるとの事だったので9日の午後にお願いすることにした。身体検査の問診票と面接票を受け取り帰宅。
帰宅して早速Amazonで過去問を注文し、同時にふたたび自衛隊公式からもダウンロードしてみる。こちらの数学は高校入試レベル・・・といったところか。やって出来なくもなさそうなので早速中1の復習からはじめようとまたネットを漁る。素因数分解とか言われてもさっぱり・・・とか思いつつ、そこは昔取った杵柄。いちどはやっている事なので結構、やってみれば思い出すものだ。方程式なんかもそうそうやったやった、なんて思いながら解けるとなかなか楽しい。そして今はネットを探せばいくらでも勉強の解説をしてくれる親切な方が存在する。自分が中高生の頃は学校でハズレ教師に当たったらもうそれで終了、って時代でそれを自力でどうにかしてやろうなんて気概もなく、ただ底無し沼に沈むに任せていた訳ですよ。
ちなみに他の科目は・・・
国語(10問)→中学レベルの読み書きに熟語・慣用句等で楽勝
社会(10問)→世界史(4問)プラス日本史or地理(3問)、現代社会or政治経済(3問)の選択方式。一般常識に毛が生えたレベルなのでどうにかなりそう
作文(400字程度)→得意
まぁ、過去問をちゃんとやっておけば大丈夫だろう。
とにかく数学だ。他と同じく問題は10問あるので最低でも半分以上は押さえておきたい。
大体の傾向は・・・
因数分解
不等式
集合
二次方程式
方程式の文章題
確率・場合の数
三角関数
速さor年齢の計算
平均
 
こんな感じ。
うん、二次方程式と三角関数は捨てよう。
他を頑張って8点目標だ。
キーポイントは確率だ。
サイコロを3つ振って・・・とか、袋の中に紅白の球があって・・・とか。
現役時代は解き方など知らないので出目を全パターン自力で書き出して回答していた記憶があるが、今回そんな時間はない。
ここで役に立ったのが理学部数学科出で高校数学教師の免許持ちなせがれですよ。
高校時代お前に教わりたかったわ!という位教え方が上手いやつで、何だか数学が楽しくなってきた。
試験が終わっても数学の勉強は続けよう・・・と思った次第。
 
身体検査の問診票はなかなか事細かに既往歴や手術歴、アレルギーや精神疾患について記載を求められる。腰痛とか関節の痛みだ腕のしびれだ何だと聞かれるが、このトシになりゃあちこち痛いときもあるよ・・・と思いつつ、ベストコンディションの時ならどこも痛みなし!で押し切ることにする。それは事実だし、3年にいっぺんくらいしか受けない健康診断だって去年は悪いとこひとつも無かったんだから。
面接票は簡単なもので志望動機や周囲の理解は得られているか、趣味特技に長所短所、不安な事はあるか等々。
不安はやっぱり、体力的に訓練に付いて行けるのか?って事だ。
半世紀の人生においてスポーツで活躍した事が一度もない初老の元虚弱体質に務まる事なのか?
匍匐前進とか銃持って行進とかするんだよね・・・と想像は広がるが、不安よりもやってみたいという気持ちの方が強い。
ま、そんな事は試験に受かってから考えりゃいい事で。まずは勉強しろよ俺。
 

続く。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?