勝手にライナーノーツvol.1「RISINGFALL/Rise Or Fall」
まえがき
この記事は私のTwitterアカウントで投稿した国内アンダーグラウンドメタルの雄、RISINGFALLの昨年末発表された1stアルバム"Rise Or Fall"に対して勝手に書いちゃったライナーノーツ風レビューのリサイズ修正版である。
毎夜通りTwitter上で好きなレコードについての長文ツイートをかまそうと、次は絶対これと決めていた買ったばかりのRISINGFALLのLPについて書き始めたところ、中学3年生の頃からシワが入らないよう細心の注意を払って読み耽った国内盤アルバム付属のライナーっぽい文章になっていることに気づき、もう「勝手にライナーノーツ」と名付けてシリーズ化を決め、そのvol.1として公開してしまおう!と思い立ち今回のnote開設のきっかけにもなった渾身の一筆、もとい一指です。
このようなクド過ぎる能書も各SNS上で散々垂れ流して、居るか居ざるか私の投稿全てにお目を通して頂けているような超真性マニアックの方がもし居たとしたら、そんな方すらもきっともう本当にいい加減してほしいかとも存じますので、既にダラダラし始めてきましたが今回はさっさと始めさせて頂きます。
Twitter版のリンクもこちらにご紹介いたしますが、note版をこのライナーノーツもどきの完成形と申し上げさせて頂きます。
ところで、「もどき」という言葉を短期間にここまで頻繁に使ったのは今回が始めてである...
勝手にライナーノーツvol.1「RISINGFALL/Rise Or Fall」
R.I.P. Yoshiki Toyama...
"Prologue"と"遥かなるブリタニア"デモに於けるジャケアートの壮大な雰囲気と、80'sカルトHEAVY METALバンドの一群を想起せずにはいられぬ楽曲展開、そして異様に歌唱力の高いボーカル...
新進気鋭の若手HEAVY METAL グループだったRISINGFALLの上記デモ2作品を纏めて入手した時、とうとうMETALUCIFERのクサレ・メタル・パンデミックに罹患したその遺伝子を真に受け継ぐ、日本地下正統派メタルの次世代を担うバンドの出現か... とは感じつつも、その時点で私の感性は正直そこまで揺さぶられなかった。
ボーカルITOH氏の歌唱力には確かに日本地下メタルシーンの救世主と成り得るカリスマ性を感じたが、曲のクオリティはまだまだいけるだろうと...
偉そうに書き連ねているが、私がRISINGFALLのライブを初めて観たのは2022年初頭に突如センセーショナルに出現したはちゃめちゃスピードメタルグループ 、BILDUNGSPHILISTERとの2マン企画、アンダーグラウンドのライブ会場にも足をお運びのマニア諸氏には記憶にも新しいであろう"GREAT DEVOTION vol.1"で DJを務めた時という、つい最近にまだ一度しかライブを観ていない私のような人間が99%自己満足で彼らを語るのは大変おこがましく、差し出がましい気持ちではありますが、その時のライブパフォーマンスと今回のアルバムをアナログ音源で聴いて私は黙っていることが出来ませんでした。。
彼らより若干歳上でクサレメタルパンデミックに未だ重度罹患中という同タイプのメタルマニアックである私としては、RISINGFALLへの造詣が深くなくとも、どのような生い立ち、掘り下げ方で彼らがHEAVY METALを探求し、如何なるモチベーションでこのようなバンドを結成したかは手に取るように想像出来るし、そこに誤解もあまり無いのではと自負します。
勢い止まらぬステージングと稀代のフロントマンITOH氏の自信に満ち溢れた MC、そして音源と違わぬ歌唱力...あー、エアギターとヘッドバングを止められない。。カリスマそのものである!!同世代として思い入れも一入あったかもしないが、彼らがその日展開したライブパフォーマンスは恐らく海外のメタルマニアックスが集う大きなイベント、それこそKEEP IT TRUEなどに出演しても全く問題ない出来ではないかと私には思えました。
スウェーデンのENFORCERを皮切りに2000年代終盤に発生、欧米を中心に現在もまだまだシーンを席巻中の所謂NWOTHM(New Wave Of Traditional Heavy Metal)と80'sカルトメタル各種再発盤を同一線上の音楽として違和感なく影響を受けた我々世代は、必ずしも80年代的雰囲気、音質への固執はなく、寧ろメタルの入りはLINKIN PARKや SLIPKNOT など、彼らも私と同じく必ずしも汗水滴る80年代メタルから HEAVY METALを聴き始めた訳ではない、もしそうだとしても、どこかでモダン~ラウド系メタルやメロコアなどの90年代以降の音楽を避けることは不可能な世代だったのではと察します。
今作Rise Or Fallの80年代音質に全く固執しない重厚かつ柔軟なサウンドプロダクションは、そんな我々世代ならではの感性だからこそなし得る、現代的音圧だけどNU METALでもTHRASHでもDEATHでもジャパメタでもない、どこを切っても再発盤音源等から学び血肉にしたと思われるオリジナルNWOBHM、欧米80'sカルトメタルを絶対的根幹に置きつつ、現在進行形の音で構築された純度200%の正統派HEAVY METAL作品であると私は思います。
この音圧で刻みリフ多用、2ビートによるスピードメタルナンバーTr.1 Kamikaze、Tr.8 Master Of The Metal辺りの、それでもエクストリームメタルには決して寄らないバランス感覚は、先の2枚のデモ音源に付属していたメンバー自身のペンによるディスクレビューシートからもわかる彼らの音楽的含蓄、才能、そして世代ならではのセンスでもって成し得ているように思います。
しかし、その一本調子で攻め続ける訳ではない、Aメロ入りでの転調が胸をすく8ビートの名曲Tr.6 Never Surrener、三連符とツインリードギターのハーモニーというNWOBHMの伝家の宝刀が抜かれたTr.4 Rock Fantasy、Tr.5 Risingfallでは怒涛のメロディックスピードメタルを放ちつつ、NWOBHMバンド群のルーツまでをも体現したような驚愕のバラードナンバーTr.7 Ashes To Ashes等々...
全八曲、バラエティーに富みつつも死角なし、キャッチーさも兼ね備えた日本HEAVY METAL史に今後燦然と輝き得るであろう大傑作アルバムな仕上がりを見せています。
デモの時点でそこに隠された彼らの凄みを見出せなかった私のセンサーはまだまだである...
NWOTHM総本山の1つと言えるレーベル、DYING VICTIMSからのリリースとなったのも現在の彼らのクオリティを考えれば大いに納得。欧米NWOTHMシーンに殴り込みをかけるに余りある勢いと楽曲のクオリティは国内メタルシーンの誇りと言えます。
現在の国内若手バンドを少し視野を広げて見渡すと、シーンは異なるがNEWSCHOOL系HARDCORE~DEATH METALのKRUELTYが今は最も海外にその活動を波及させているバンドであると思うが、あそこまで活発な動きは難しいとしても、RISINGFALLが海外でのライブ活動を積極的に展開できれば、一部のマニアによってのみ支えられている国内地下HEAVY METALシーンにもポジティブな影響を与え得る可能性は大いにある。
彼らのパフォーマンスが海外の数千のメタルヘッズを熱狂させる映像が私には見える...だから老若男女、ジャンル趣向の別も一旦抜きにして、メタルの本場ドイツの現在最も活発なアンダーグラウンドメタルレーベルにレコードをプレスさせるに至った極東のMETAL SOLDIERS、RISINGFALLの1stアルバムを、皆様まずは先に上げたBandcamp音源からでもよいので聴いてみて、そして地下で蠢く彼らのライブ会場に足を運んでみてもらいたい。お前も来い?日々の育児家事仕事に追われる現在の私には精々、ネット上で彼らそして日本アンダーグラウンドメタルシーンを援護射撃する程度が精一杯なのである!(笑)
最後に、30歳の若さで亡くなられたRISINGFALLの永遠のギタリストYoshiki Toyama氏のHEAVY METALへの想い、信念にメロイックサインを捧げ、このライナーノーツもどきを謳った駄文にもそろそろピリオドを打ちたいと思う。
このアルバムによって益々、RISINGFALLの今後の活躍に私は期待せずにいられなくなりました。
TRUE HEAVY METAL PRIDE will never die...We go together with Yoshiki's burning spirit from now on!!!!!!
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