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さこよんうになちらは・情報小料理屋 2016/06/08

 50歳を過ぎると、何か峠を超えたような安心感がある。60歳を過ぎると、到着地点が見えてきて焦りだす。若い時はイメージだったものが現実感を帯びる。自分の人生でやり残したことがあるのではないかと焦る。無駄なこと、どうでもよいことに時間を費やしてしまったと後悔もする。

 外から見て充実した人生を送ってきたよな、と思える人ほど焦りだす。人生を突き動かすものは焦りだ。その焦りを、うまく使いこなそうとするのが60代なのかも知れない。焦らない人は終わってよし。

 50歳までは、押し売りをやろうと思った。自分の考え、自分の思考してきたことを、世の中の人に無理矢理でも食わせてやる、みたいな。50歳になった時、その方法論はやめた。相手が自分のところに相談に来てくれたら、うまい情報をたらふく食わせてやろう、という気持ちになった。

 50歳からが教育者なのだろう。教育とは、自分が信じてきたものを、相手に押し付けるものではない。自分が信じてきたものを、相手に委ねることだ。人類の課題を個人が解決出来るわけがない。人類の課題を、個人が別の個人に委ねること、それが教育だと思う。それが人類に、数多くの個人がいる意味だと思う。何を委ねるかが、その人の人生そのものであろう。

 教育という言葉が悪いかもしれない。愛というものかも知れないが、それも言葉が悪い。

 何事か分からないままの焦りは何の力にもならない。自分の力でコントロールされた焦りは、起動力になる。目標は一点だが、目的は大きな大きな宇宙全体に向けられている。

「さこよんうになちらは」は、20代の時に作った僕のおまじない。このおまじないを握りしめて、今日も朝がはじまる。

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さこよんうになちらは・情報小料理屋 2016/06/08

橘川幸夫

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