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坂道合同オーディションの「どろかつ」について。

 坂道グループのオーディションやってる。
 欅坂第一期の時は、深夜のTV番組の「欅坂って書けない」で、一人ひとりのキャラクターが紹介されていったが、「けやき坂」の時は、SHOWROOMが使われ、デビュー前に、それぞれファンと交流を行い、その評価も審査に影響したのだろう。

 しかし、SHOWROOMというのは、視聴者が「赤だるま」1円で捧げ物になるという、まあ、田舎芝居で観客が大根やキャベツを舞台に捧げるというシステムを現代的に踏襲したもの。「赤だるま1円「バラ10円」「花束50円」はまあ分かるが、「東京タワー1万円」というのは、おたくを食い物にしたシステムだな(笑)

 「けやき坂」の時も、全部は見ていないが、自宅からの配信ということもあり、SHOWROOMは、素のキャラクターが見えて面白い。ラストになると、みんな泣いてしまうほど、感情移入がすごい。今回も、パラパラと見ていて、表情とか感受性とか、一人ひとり違うので、現代の女の子をしるためのマーケティングとしても面白いイベントである。

 その中で、一人、圧倒的にアイドルとしては異質なのが、兵庫の「どろかつ」。まあ、この名前の生まれ方も凄いが、とにかく、言葉の使い方、言葉の方向性がめちゃくちゃで、見ていて、聞き流せない(笑)。とにかく瞬間瞬間、何を言い出すのか、何をしでかすのか想像もつかないところに、どろかつの存在感がある。

 僕は「オリンピックとギネスの違いがわからん」というようなフレーズを聞いて、すげえと尊敬の気持ちさえ抱いたのだが、SHOWROOM見てると、「嫌いな食べ物は?」「ボロ雑巾」とか「早口言葉言って」「生ゴミ生米生卵」とか「部活は?」「紫式部とルービックキューブ」とか「好きな音楽は?」「君が代」(君が代の私バージョンの「私が代」もある)「アイドルになって何したいですか?」「自分を変えたいとかではなくて、他人を変えたい」とか、視聴者からの質問に即座に答えるどろかつは、超AIである。

 坂道のコンセプトは、高校生のクラス編成であり、クラスには必ずトリックスターのような異質な感性の子が一人ぐらいはいる。乃木坂46の和田まあやであり、欅坂46の尾関梨香であり、けやき坂46の井口眞緒である。編成は、そういう個性を必ず入れ込んでいるのだろう。

 かつて、ハロプロのつんくが、大勢の歌のうまい女の子の中に、一人、音痴の子を入れると、全体がブルージー(ブルースっぽく)になると、どこかで語っていた。美形で歌唱力のある人間たちだけでは、コミュニティは成立しないのだろう。

 欅坂46の尾関梨香は、当初はぶっとんだキャラで平手友梨奈も興味を持っていたが、いつの間にか危ないキャラが薄れていき、普通の可愛い子になっていって、平手の熱も冷めたことがあった。

 さて、どろかつは、尾関梨香のように頑張って暴れるタイプではなく、井口眞緒のようにコンプレックスをバネにしてはじけるタイプでもない。普通に、淡々と、おかしいのである。そして、自分が、異質であることを知っている。平手友梨奈の、きっと、マイブームになるだろう。

 今泉佑唯が抜け、志田愛佳の復帰が曖昧な中、欅坂46の中で、平手に新しい活力を与えられるのは、どろかつではないかと思う。どろかつは、最後の番組でも泣かなかった。4回の番組中、ほとんど笑顔さえも見せなかった。泣いたり笑ったりがアイドルの評価軸だとしたら、その評価軸に価値を持たないアイドルは数少ない。その数少ない二人の組み合わせを、見てみたいと思う。

 合格を祈る。


追伸

やりました。どろかつ合格。合格配信で「泣かないですよ、感情ないんで
」と(笑)。そう、君は、自分が泣くアイドルではなく、ファンを泣かせることが出来るアイドルになる。欅オタには、21人幻想が強くあるけど、それを壊して(もう壊れたので、それを自覚させて)、新しい世界を切り開けるのは、どろかつだ(笑)まだ、どこに所属するのかわからないけどね。

続・追伸(2019/09)

一年待たされたが、いよいよ正式に登場である。

増本 綺良(どろかつ)

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