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周平弟子との対話★時代質問箱(2)未来について

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●未来について

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周平・未来について。日本未来学会理事でもある橘川さん。未来学会がやろうとしていることを教えてください。そして未来はどうなるんだろう?

橘川: 日本未来学会というのは、1969年に、当時の知識人の叡智が集まって、未来を考えようと学際的な集まりとして始まった。梅棹忠雄、林雄二郎、小松左京とか。そこから半世紀たって、僕らは、明るい未来に生きているかというと、そうではない。もう一度、未来というものを考えなおそうということで、僕も参加することにした。

 僕の考えでは、未来というのは、昨日・今日・明日ではなくて、今という点に後ろから流れてくるのが過去で、未来から流れてくるのが未来だ。今を健全にするためには、過去と未来からの情報量のバランスが必要。過去は事実だが、未来は想像力が必要。僕は、特に若い人たちに、想像力をもっと持って欲しいと思うな。それは知識ではなく、内側から沸きあがる意志のことだ。

周平・想像力っていうのは、こうしたい、こうなりたい、なったらいいな!というような欲望から生まれるということでしょうか?

豊かな社会になって、生存にかかわる、猛烈に欲しいという欲望が減退したということもあるかもしれない。他者とのコミュニケーション欲求も減退した。でも想像力というのは、オリジナルのビジョンを個人の側が持つということ。カラオケやコスプレとのように、誰かが作ったイメージに仮託するということではない。

周平・ー欲望って弱くなるもんなんですね。それとも"ものが欲しい"とは別の方向に欲望が行ってるんでしょうか? でもたしかに”欲しいもの”がなんだかわからない、という感覚はすこしわかります。

橘川: 男であればカミさんもらって家を守って、という観念が当たり前の時代であれば、男は肉食系として、異性を求めるよね。それは、結婚した方が安定した生活を営めると信じられていたからだ。しかし、今は、結婚しなくても、個人のまま生活できる社会システムが出来てしまった。草食系というのは、社会が生んだ男の新しい生き方なんだと思う。それが良いのか悪いのかは別問題としてね。

周平・未来は創るものだ、というアラン・ケイの言葉がありますが、10年後、橘川さんはどういう未来を創ろうとしていますか?

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