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ユニクロは何故飽きられたか●情報小料理屋 2016/06/05


ある日、突然捨てられる会社~ユニクロ、マックの失敗は他人事ではありません。人は飽きる? その事実から逃れられる経営者はいない(現代ビジネス)

 飽きられてはいないと思うのだが、ユニクロの業績が悪化している。ここには、急激に成長した企業が直面する、大きな落とし穴があるのではないか。

 ユニクロが登場した頃は「安いだけの商品」だった。学生たちに「ユニバレ」という言葉がはやり、ユニクロを着ていると「安もん着てるな」とバカにされたりもした。そのことは、ユニクロ自身が誰よりも分かっていたはずだ。

 それがだんだんと成長し、マスコミを持ち上げるようになった。世界企業になり、柳井さんも有数の資産家になった時、自分らの企業にプライドを持ちはじめたのだと思う。

 世界の一流デザイナーとコラボしたり、著名なクリエイターである佐藤可士和をプロデューサーにして「ビックロ」を作ったりして、時代をリードするかのような振る舞いを見せるようになった。

 昔、ユニクロの商品には、ブランドタグがついていなかった。「ユニバレ」のコンプレックス意識を、ユニクロ自身が持っていたからだと思う。まさに「無印」そのものであった。それが、数年前から、ブランドタグがつくようになった。それを見た時、「ああ、ユニクロもやばいな」と僕は思った。

 小さな会社が、小さいことにコンプレックスを抱きつつ、「より良い品物を安く消費者に提供したい」という心意気で商品を提供しているうちは、消費者の信頼感は増す。しかし、成功して、自らの方法に確信を持った瞬間、消費者の意識とズレる。消費者にコンセプトを提供し、時代をリードすると考えたことが、最大の落とし穴なのだと思う。成功企業が自社ビルを建ててから衰退するという例もある。

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