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追悼・大久保忠男さん

 大久保忠男さんが2017年3月2日永眠されたという連絡が入りました。

 コンセプト・バンクの大久保さん、プロフィール

 一ヶ月ほど前に、デメ研に行きたいという連絡があり、約束の日を決めたのですが、予定の数日前に、行けなくなった、という連絡があり心配していました。またひとり、脂ぎってない、すがすがしい仕事人がいなくなりました。

 大久保さんは、80年代に、アメリカのビジネスやトレンド情報を収集して提供する仕事をしていました。僕の「企画書」を読んでくれていました。

 90年になって、(株)赤ちゃんファミリー市場研究所(現ネット&コミュニティ研究所)を設立しました。このコンセプトは秀逸で、単なる「ベビー市場」の哺乳瓶と貸しベッドとかいうものだけではなく、家庭に赤ちゃんがやってくることによって、新しい商品やサービスが必要になり、それを「赤ちゃんファミリー市場」と大久保さんは名付けました。例えば、独身や夫婦ふたりの時代は、ジャンクフードやインスタント食品ばかり食べていた女性が、母親になることで、急に食の安全やオーガニックフーズに目覚めて、新しい食文化の市場が拡大するとか、それまで自分の好みで購入する自動車を選んでいたり、インテリアを決めていたのものが、赤ちゃんの登場によって、選択肢の視点が大きく変わることに着目したのです。それはこれまで無関係だと思っていた一般消費財のメーカーやサービス業に対してベビーマーケットの存在を知らしめるものでした。

 1992年には、旧あさひ銀総合研究所(現りそな総合研究所)と提携して、フューチャービジネス研究会を実施し、橘川も気分調査の手法で、いろいろとお手伝いさせていただきました。

 1994年には「日本オーガニックコットン流通機構(NOC)」を立ち上げて、まだ馴染みのなかった、米国の認証付きオーガニックコットンの輸入や商品開発を進めてきました。

 その後、インターネットの流れの中で、地域のお母さんのネットワークやインターネット通販などにトライしていました。

 10年ほど前には、僕もおつきあいのあった故・小南奈美子(Namiさん)さんとの対話集も出しました。

Namiさんからのラスト・メッセージ SQ真の自己を生きる~あるがままでOK!

 大久保さんは、小さなグループ活動をつなげていくことが好きでした。それは今、僕らが目指している方向なので、今度会ったら、一緒にやれることを相談しようと思っていました。大久保さんは、僕の広げる風呂敷を、いつも嬉しそうに見て笑ってくれました。やんちゃな子どもの創作物を、嬉しそうに見てくれている学校の先生のような人でした。大久保さん、ありがとうございました。今後ともよろしく。合掌。

(株)ネット&コミュニティ研究所




*大久保さんの活動経歴は、こちらをご覧ください。

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