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記憶する葦(追悼文)

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#大西祥一

追悼・大西祥一

 あまり行ったことのない葛飾の方に行った。葛飾柴又の方だ。まさに寅さんのような男が亡くなった。私が写植屋をやっていた70年代半ばの年末に写植を頼みに来て、お正月明けに納品してくれ、と無茶な注文してきた男だ。写植を取りに来たが、そのまま宴会になり、麻雀大会になり、友だちになった。  彼は、宝島で始まったばかりの別冊宝島の担当者だった。話してるうちに、普通の働いている人にインタビューして作る本の提案したら、企画が通った。80年代にWorkingのような仕事インタビュー集が出たが