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記憶する葦(追悼文)

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2021年3月の記事一覧

追悼・手塚昭雄さん

追悼・手塚昭雄さん  若い時に感じていた「死」は、観念的なもので漠然としていた。自分のことを自覚するようになった頃から、死は、常にまとわれつくアブのように時折、頭の周辺を飛び回る。それは、怖いものであったが、甘美な匂いも漂わせていた。  50歳をすぎると、そうしたイメージは消えていき、より具体的な死と向かい合うことが多くなる。信頼し、大好きだった仲間たちや、肉親の死が日々の出来事の中に、次々と発生してくるからである。  僕の場合は、メディアを通して出会った人が多いので、