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イコール「書評の書店」

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2023年10月の記事一覧

[ドゥルーズ入門] 檜垣立哉 著      ちくま新書 刊     

生の哲学を引き継ぎ、広く哲学のバロック性に棹差し、独自の生命システム論とでも言える思考を展開した、前期ドゥルーズ。ガタリとの思考の大展開以前、定型的な哲学の枠内で仕事をしていた時代の、入門書である。20世紀前半においてはハイデガーが、後半はドゥルーズが、哲学の世界では熱狂され、日本に置いて多大な影響を与えた。この本は、ドゥルーズの、「通俗化」の試み、なのだそうだ。おそらく通俗化とは、一般化というような意味合いなのだろう。ドゥルーズで読んだのは「アンチ・オイディプス」だけ。難解