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ラプソード

2023年度より、MetaGateのオンラインサロンでは帝京大学スポーツ医科学センターの大川靖晃氏に定期的に記事を配信していただきます。

今回は大川靖晃氏の投稿記事・第25回目となります。

MetaGateのオンラインサロンはこちらから。

https://metagate2020.com/onlinesalon-entry/

オンラインサロンでは大川さんの記事を含め、月に12記事、またサロン会員様には無料で月いちでオンラインセミナーも参加できます。

ここからは大川靖晃さんの記事になります。

野球好きな方で、今や知らない人はいないであろう、ラプソード。


意外にも、創業はシンガポールで2010年と、まだ13年しか経っていない新しい会社です。


しかも、元々はゴルフ向けの製品からスタートしていて、野球用の製品は2016年に発売開始となっています。


最初はPITCHING1.0から始まり、その後おそらく現時点では一番持っている人が多いであろうPITCHING2.0が発売されました。


私たちの施設でも2021年の4月よりPITCHING2.0を導入しています。


さらに現在では3.0が発売されています。


同時期に広まったトラックマンもそうですが、これらの機器は野球界に革命を起こしたと思っています。


これらの機器が世に出回る前は、投球されたボールを数字で評価できるのは長い間スピードガンだけでした。


スピードガンが計測できるのは球速だけです。


そこに突然、投球されたボールのことならなんでも分かるという機器が登場したのですから衝撃的でした。


ボールの回転数(1分間に何回転しているか)はもとより、回転の軸や、リリースの高さなどが数値として出てきますし、最新の3.0ではボールの縫い目の向きまでわかります。


特に、変化量についても分かるため、変化球を習得しようとした時に、その変化球がどういった変化をしているのかということが分かり、すぐにフィードバックされるため、とても役に立ちます。


2.0でも十分に色々なことが分かりますし、値段もチームで購入すると考えたらそこまで高くはないですし、維持費も年間のサブスクリプション代くらいしかかからないので、チームに一台持っていても損はないと思います。


ただやはり、ラプソードのデータを実際に活用するためには、取得できるデータの意味が分かっていないと難しいところがあると思います。


そして、さらにラプソードを有効活用するためには、ハイスピードカメラとの併用をおすすめします。


ラプソードはボールに関する情報はほぼ全て提供してくれますが、人の手や指に関する情報は分からないため、なぜそのような回転になっているかは分かりません。


なので、その穴を埋めるべくハイスピードカメラの使用が効果を発揮してくれます。


最近は携帯電話のスロー動画撮影も、かなり綺麗に撮れるようになってきていますが、それでも基本的には240fpsくらいです。


普通の動きであればそれでも十分なのですが、投手の腕の振りというのは想像よりもかなり早い動きになりますので、できれば1000fpsくらいで撮影できるカメラが良いと思います。


まだ持っていない人は是非購入を検討してみてください。


そして持っている人は、効果的な活用ができるように、試行錯誤しながら積極的に使ってみましょう。


(大川靖晃)

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