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PCの静音性について

今回はパソコンを選ぶ上で、重要な静音性について解説します。

もちろん静かな方がいいのですが、基本的には性能が上がれば上がるほど何かしらの音がしやすいです。どれだけ音はするのかというのは、買う段階では分からないですし、個体差もあります。

そのため確実に大丈夫という商品はないのですが、この記事を参考にしていただければ、ある程度の対策ができるはずです。


ゲーミングPCとクリエイター PC の違い

ハイスペックな CPUが必要なのは、クリエイター PC で、

ハイスペックの GPU が必要なのはゲーミング PC

と解説している文章も多く見かけます。

概ねそういう傾向はあるのですが、もう一個気をつけておいて欲しいのが静音性の部分です。

ゲームで遊ぶ場合、プレイ中は音楽が流れているので、あまり静音性を意識する必要がないものの、クリエイター作業となると無音で作業することが多いので、PC からの音が気になります。

メーカーによっても考え方は異なるかもしれませんが、多くのクリエイター向けパソコンは静音性を意識した設計となっているはずです。

逆にゲームは少々音が出ても気にならないので、それを前提とした設計や構成となっています。

その点を頭に置いていただいて、ここからは音対策についてです。

1,振動音

PC の冷却ファンなどが震えて、それがケースや床に伝わって音が出ます。

机の上に PC を置いている場合、机を震わせる可能性が高いです。

人の耳には聞こえない音かもしれませんが、ZOOMや動画撮影において、机の上にマイクを置いて喋る場合、パソコンの振動音を拾ってしまいます。

対策としてはパソコンの下にジェルパッドを入れると効果的です。

Amazon で買うと結構な値段をしますが、これより半分の薄さでよければ100円ショップにも似たようなものは存在します。

ケースが震えて音が出る場合は、ケースの上に漬物石みたいな重いものを乗せると改善されたりします。


2,冷却ファンの音

振動音はパソコン購入後でも概ね対応できますが、冷却ファンの音がうるさい場合、少々厄介です。

冷却系のファンを自力で変えるには素人には難しく、最初から静音性の高いパソコン(高性能のファン)を買った方が無難でしょう。

一般的に冷却ファンの大きさが大きければ大きいほど空冷能力が高く、少ない回転スピードで冷やすことが可能なぶん、音も小さくなります。

また、BIOSの設定をいじればファンの回転を制御する事も可能です。

BIOS設定を変える方法はパソコンによって異なりますので、お手持ちのパソコンの機種名+BIOS設定というワードで調べてみてください。

ただ冷却ファンの回転を少なく設定すると、CPU や GPU のパワーも落とす結果になるので、高いパソコンを買ってそれをやってしまうと本末転倒です。


3,コイル鳴き

高性能パソコンとなるとリスクが生じるのがコイル鳴きです。人によっては非常に不愉快な音だと思います。

鳴る可能性の高いパーツは

・グラフィックボード(GPU)

・電源

・マザーボード

が多いそうです。

グラフィックボードならまだしも、電源・マザーボードを交換するのはなかなか難しいと思います。

電力消費量が多く、高性能なモノほどコイル鳴きのリスクは高いです。

そのため、使用目的範囲を大きく超えたオーバースペックのPC は個人的にお勧めしていません。
コイル鳴きなんかしようものなら、高かろう悪かろうだからです。
電力消費量(TDP)は最小限に抑えることをお勧めします。


コイル鳴きの原因は、電気の流れ方によるものです。

コンセントの差し込み口を変えたり、BIOS の設定を変えれば収まることもあります。
ただ、基本的には原因の特定が難しいです。

グラフィックボードの場合、GeForce などゲーム向け製品は「ある程度のコイル鳴きは仕方ない」と考えられて作られています。僕は動画編集しかしないのでエントリークラスのGTX1650を使っていますが、Premiere Pro使っていると、たまにコイル鳴きがします。

耳をすませば少し聞こえる程度なので全く問題ないのですが、これから先どうなるか分かりません。電源などパソコンのパーツは全て経年劣化していくので、劣化の状況によってはコイル鳴きの音が大きくなる可能性もあります。

こればかりは運なので、悪化しないことを祈るばかりです。

あと水冷で安物だと、水を巡回させるモーター音が劣化してうるさくなるリスクがあります。水冷じゃなければ冷やせ無さそうなスペックは、なるべく組まない方がいいです。

話をまとめますと、

動画編集用PCとして見た場合、最新で最高のランクのCPU や GPUなら10年先も使えそうな性能ですが、10年後も静音でトラブルなく動かしたいなら、電源やマザーボードや冷却系もそれなりの部品で構成しなければいけません。

しかし、どんなに良い部品でも壊れることがあるので、自力で交換できない人は定期的な買い替えを前提として買った方がいいです。

故に高性能パソコンというのは、3~4年で買い替え、5年以上使えたらラッキーという感覚で、新しいパソコンを買うにしても、使うソフトがサクサク動くスペック~1段階上のスペック程度までに留めておいた方が無難です。

ちなみに音が大きくても、いざとなれば音楽を流しながら作業することも可能ですが、僕は音声で文章を書いています。この文章もそうです。そういう人は困るでしょう。

押入れの中にPCを入れるという荒業もありますが、全員が全員できるわけではありません。


デスクトップ PC とノート PC の違い

これについても少し書いておきます。

自分の目の前に置いて作業するノート PCから音が出るようだと最悪です。

そのため、ノート PC というのは静音性を重視して作るメーカーが多いです。低発熱・低消費電力を追い求めた結果、デスクトップ PC に比べて性能が落ちる要因にもなっています。

デスクトップ PC は先にも書いたように、長いケーブルを買えば隔離も可能です。最悪それで何とかなります。ただ、あまりに大きい音が最初から出るようなら、初期不良として返品することも考えて下さい。

僕の場合、とあるメーカーのPCが、ほとんど負荷をかけてない状態でコイル鳴きがひどかったので「作業をしていたけど体調不良になった」と言って返品したことがあります。

常識的には初期不良返品の期間が限度でしょうから、PCが届いたら即、高負荷のソフトを動かして、動作音をチェックして下さい。

以上がパソコンの静音性についてでした。

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