修復不可能

この恋は修復不可能である。

久しぶりに出会った君を見て思った。
出会ったというよりは見つけたと言うべきか。
白い油性ペンみたいにこびりついて離れないのに
色の着いた紙になにかを書いても
その書いたなにかが分からないくらいの
不思議な透明感を持った君が泣きながら目の前を通る。
君と出会ってから別れるまで 僕が君の傍から離れるまでの間
1度も僕の黒に染まらないまま
この恋が実らないまま、僕だけが君の白に塗り潰された。


私の心はとっくの昔に真っ黒に染め上がってた
でも誰にも見せなかった
その染め上がった心を見せてしまえば
彼は離れていくと思ったから
彼の色とりどりな心を白く染めあげることが出来ないまま
彼の沢山の色に塗りつぶされて
いつの間にか混ざった黒になってた。
出会った時 色とりどりに輝く彼は
いつの間にか消えていく空の虹のように
私の記憶の隅々にまで焼き付いて離れなかった。
久しぶりに彼の墓石の目の前を通った時涙が止まらなかった。
もう二度と出会えないと泣きながら 深く抉られた傷を隠した

この心の傷は修復不可能である。

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