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その昔、小学校の図書室で見つけた話を映像にしてみました。

子供の頃に読んだ本はずっと憶えているものですね。

印象深い本は沢山ありますが、
小学校低学年のときに学校の図書室で見つけた本の話をしたいと思います。
実際はその本一冊のことではなく、その中に書かれていた一話の事です。

僕の小学校にはそれなりに大きな図書室がありました。
それは、その後通った中学校の物よりも立派な物で天井まで届く大きな本棚をよく憶えています。

図書室は音楽室の向かい側にあって、ドアでは無く引き戸の入り口で開けると古い本独特の匂いがしました。
中には沢山の本があったのですが、どれも古い本ばかりであまり保存状態の良くない物も多かったです。
置いてある本のほとんどは伝記物や歴史、辞書などで気軽に読める物はあまりなかった気がします。

そんな中に一冊「日本の怪談」という題名の本がありました。
もしかしたら「日本の昔話」かもしれません。
その辺はしっかりと思い出せないのですみません。
本は少しくたびれていて背表紙はグラグラしていました。

その本の中の一つの話に「船幽霊」がありました。
この話がお気に入りでたまに図書館に行くと良く読んでいたものです。

物語をご存じの方も多いとは思いますが、ざっくりとあらすじをご紹介すると、、

あるところに貧しい漁村があった。
そこには、昔からの言い伝えでお盆の時期は漁には出てはいけないという禁忌があった。
ところがこのところ不漁続きで食べるにも困っていた。

ついに漁師たちは禁忌を破って漁に出てしまう。

漁は大漁で沢山の魚を獲ることが出来た。

すると、海から無数の手が伸びてきて口々に
「柄杓を貸せー」
といいながら船の周りを取り囲んでしまう。

しばらくは、頑張っていたのだが一人の漁師がたまらず柄杓を海に投げ入れてしまった。

すると、不思議なことに一本の柄杓がどんどん増えていき無数の手に渡っていく。

柄杓を持った無数の手は海の水を汲んでは、船に注ぎ入れていった。

ついに船は沈んでしまい誰も助からなかった。

昔から漁師や船乗りたちは底を抜いた柄杓用意しておいたものだ。

という話です。

とても短い話なのですが、船幽霊たちが船を沈めていくところでは柄杓を持った細長い手が
船を取り囲んでいる挿絵があってとても恐ろしく感じました。
やはり、子供はどこか怖い話が好きなのでしょう。

しばらくするとその話のことは忘れていました。

その話を思い出したのは、何か短い映像を作るために題材を探していた時です。

かなり前ですが、自分のMacで新しいソフトの練習のために小泉八雲の
「狢むじな」を映像化しました。

そして今度は「船幽霊」を作ってみようと思い立ちました。

実写や映像の編集は得意ですが、CGで一から作るのは経験が無かったので
今度はCGで作ることにしました。

CG自体の知識は多少持ち合わせていましたが、実際に自分で作るとなると
これは思った以上に大変な作業になってしまいました。
長くなるので、詳しい話はまた別の機会にすることにしますね。

子供の頃に読んだ話を思い出して映像にする作業はとても楽しかったです。

まだ、CG制作に手こずっているので荒削りなところはご愛嬌。
ちょっと怖い話は、、なんて言わないで少し覗いて見ませんか?


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