帰省とディズニープラス

 お風呂に入ろうと思ったら着るものが無かったので洗濯機ぶん回しがてらに文章を書いている。

 大学生の夏休みの醍醐味の一つである帰省。醍醐味と言っても、実家に身体と荷物をテレポートさせるだけなので実に退屈だ。帰ってきたところでお祭り騒ぎが起きるほど徳を積んでいないので、馴染みのある空間でゴロゴロしながら何も起こらない平和な地元を窓越しに眺めることに精を出すくらいしかやることがない。帰省とはそういうものだ。

 しかし腐っても夏休みである。この退屈なひと時をサブスクリプションに課金して彩ることにした。ディズニープラスは月1000円足らずでディズニー作品のみならず様々な作品を視聴できる優れものだ。支払いはクレジットオンリーという噂を聞いていたために入会を先延ばしにしていた自分だったが、コンビニに売っているグーグルプレイギフトカードで強行突破できた。入会おめでとう。

 入会したはいいものの、何を観ようか。膨大な作品から一つを選ぶ恋愛のようなことは昔から苦手なので、とりあえずMCUのドラマを追うことにした。『アベンジャーズ/エンドゲーム』に備えて過去作を一気観していた時があったが、流石に食傷気味である。後々に味わうことができるであろう大きな感動や衝撃のためにまあまあな出来のものをお腹一杯食わせられるこちらの身にもなってほしいものだ。相変わらずヒーロー単独作は全体的にマンネリが続いている印象で、過去の事象やキャラクターを登場させることを感動の中心として組み込んでいるように見えた。お隣さんのDC映画は作品一本ごとのクオリティを上げることでMCUとの差別化を図っているようで、こちらは成功しているように思える。個人的に最近公開された『ザ・バットマン』は『ダークナイト』より好みだったほどだ。それに比べて、続きモノだから少し手を抜いても客が入るというMCUの甘ったるい思想には目に余るものがある。…どこの老害?

 これだけ貶していても面白いと思ったものはある。ドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』は、黒人差別のような現代社会的問題を、実質キャプテンアメリカ4とも言えるような「キャプテンの継承」という物語の軸をしっかりと持たせながら上手く盛り込んだ、地味ながらも地肩がしっかりとした良作だったと思う。続くドラマ『ロキ』も面白かった。時間軸を駆け巡るストーリー展開はもちろんのこと、時間変異取締局(TVA)のレトロフューチャーな雰囲気やテルミンを用いた音楽などの演出面にも魅力を感じた。何より、雷神ソーの弟でありながら何かと迷惑をかける悪役ロキの自己愛的な歪んだ性格ゆえに、ロキが別時間軸のロキ(劇中では変異体と呼ばれる)と惹かれ合ってしまうというところがしっくりくるというか、グッと来てしまった。こちらはシーズン2が予告されており、それも楽しみだ。

 御託はここまでにして、こんな感じに適当にマーベルぬるま湯に浸っていたら京都に戻ってきてしまったし、洗濯機もピーピー鳴いているので今回はここらへんで。久しぶりのnote投稿なのに、今のところ「帰省先で暇だったらサブスク入ったらいいんじゃね」的な激希釈メッセージ性しかないが、今日はもう眠たいので早く寝ることにする。

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