どうして撮り鉄はマナーが悪いのか

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今回の話では、なぜ「撮り鉄」が希望の写真を撮りたがるのか、そしてそれが突発的な要因によって撮影できなかったときにキレるのかについて考察する。この考察では撮り鉄が思う「良い写真」を被写体のポイント点数の合計と撮影条件等のコンボの難しさと定義する。そして、それらを麻雀の役ととらえることで、彼らが一体何を考えているのかを界隈の外から考えてみようとする。結論としては、撮り鉄も麻雀も役(条件)をどれだけ揃えられるかの勝負で、人間の射幸心を煽り成功した場合に快感を得られるという話になる。また、麻雀と比較するうえで、撮り鉄に足りない要素を説明する。

撮り鉄にとって良い写真とは

このツイートが端的にわかりやすい。

このツイートは鉄道写真(編成写真というらしい)における評価軸などをまとめている。そもそも一般的に写真に評価軸などあるのかというと、見る人それぞれの感性によるものとしか言いようのないものなので定義するのは難しい。

しかし一般的な写真でも抑えると見栄えの良くなる写真の構成というのはある。実はこのページ上部の写真はそのルールを外した写真になっている。

例えば、
・踏切の上部が写真から切れている(一番減点が大きい)
・電線が写真を邪魔している
・前の草のために車両が全部見えていない
とといった具合である。

もう一度見てみよう

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これらは写真を構成するうえで、要素の絞り込みができておらず、繁雑な要素を詰め込んでいる=ただ何も考えずに撮影しただけ、という話になる。

なお、自分は何も考えずに撮影している。

確かに、プロの写真家はこういったことを念頭に置いて撮影しており、何を映したいのか、そしてどういったストーリーを伝えたいのかというのがわかりやすい。そのために写真の構成を撮影前から考え、伝わりやすい技法として法則めいたものが存在している。ただし、それはあくまでも技法なのであって、少なくとも一般的な写真において評価軸といったものではないと私は思っている。

なので評価軸は、受け取り手の気持ち次第だと思う。しかし、これは曖昧で、相手の気持ちを考えなくてはならない。

だから、わかりやすい定量的な評価軸として、撮り鉄は上記のツイートのような、評価軸(条件)を定義しているのだと私は思う。

評価軸としてこれが定まった時点で、写真はこの評価軸をもとに、どれだけコンボを重ねて総得点を稼ぐかという話になる。

麻雀との共通点

ここで、国民的大人気的なゲームの一つである麻雀に似ていることに私は気が付いた。

麻雀とは配られた手牌から如何にして早く役をそろえるゲームである。その役というのはあらかじめ決められている。が、役はかなりの数があり、それぞれポイントが異なる。

そういった点において撮り鉄の評価軸と麻雀の役は似ている。

麻雀を経験したことのある人にとっては、役満というのは希少価値があってなかなか揃わないというのはわかっていただけると思う

これを撮り鉄に当てはまると、「天候」「撮影場所」「時間」「シャッターを押すタイミング」といった条件のコンボを増やすことで役満=完成された写真ということになる。

そして、麻雀も撮り鉄でも役満をそろえられたときは、とても快感を得られる。麻雀で役満を成立させられた時はうれしさのあまり記念撮影を一度は必ずすると思う。別に役満になったからと言ってお金を得られるわけでも、それ以降の人生に影響があるわけでもないのにである。(賭博は違法です)

要するに、どうやって難易度の高い技を決められるかを競っているスポーツといえる。

麻雀で役満を妨害されたときの気分といえば・・・

麻雀をしているときに、かなり手牌の運がよくあと一歩で役満でアガリというという時を想像していただきたい。

すでにリーチがかかっており、この状態であと一つのピースがそろえば役満で超高得点、SSR級の役で上がれる状態・・・・といったときに、

誰かがチョンボ(勘違い役無しアガリ)したらどうだろう。

チョンボが発生するとその人は減点されるが、それとともにゲームがリセットになる。もう少しでレアな役で上がれるところだったのに、そのチョンボした人のせいで、すべてがご破算になる。

その時の悔しさとともに、腹立たしさと言ったらかなりのものだろう。

この気持ちが、撮り鉄が撮影を邪魔されたときの気持ちに似ているのだと思う。せっかく、レアな条件で準備して撮影しようとしているのに、外的要因によってそれが成立しなくなったとなると怒りがわいてくるのもおかしい話ではないと思う。

なので、撮り鉄の気持ちもわかる。そりゃ邪魔されたとなるとイラつく。人間感情として当たり前だと思う。

撮り鉄と麻雀の違い

麻雀がうまい人とはどういう人なのか、それは素早く点数の高い役を作れる人になると思う。

もちろん上級者にとってはそれが当たり前で、それのための戦術というのもある。しかし一番重要なのは、臨機応変/柔軟に戦術を切り替えて勝ちを目指すところにある。(専門用語で振り込まないというのもありますが・・・)

この点は撮り鉄には見られない。

撮り鉄は狙った唯一の役を成立させること神経を注ぐ。それがうまくいけばいいが、何かほかの影響を受けることだって大いにある。

なので、その場合に臨機応変に高い役は狙えなくとも、安牌な写真で手堅く抑えていくというのは真に上手い写真撮影者なのだと思う。

邪魔されたことに対してキレるのであれば、ほかの写真に切り替える柔軟さが必要だと思う。(ただし、車両の移動速度はあまりに早く、例えるなら野球でピッチャーが投げた球種に応じて打ち方を変えるくらい難しい)


真の撮り鉄とはそうあってほしい


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