【3/2】中国の未来を占う全人代の焦点

おはようございます。

券売機があるにもかかわらず、緑の窓口に人が大量に並んでいることに不思議を感じている米田です。


中国は5日から全国人民代表大会(全人代、国会に相当)を開催し、2016─20年の第13次5カ年計画を正式に決定します。

中国の未来を決定する重要な会議です。

今回は全人代の頂点についてまとめます。


■供給過剰の抜本的改革

G20でも議題としてあげられた石炭や鉄鋼など国有企業の過剰な生産設備の解消が課題です。

過剰生産能力の削減の一環として、石炭・鉄鋼セクターで180万人をレイオフすると表明しました。

いつ実行されるのかなど、時期的な詳細には触れませんでした。

レイオフされる労働者の再配置費用として、向こう2年で1000億元(150億ドル)を拠出すると明らかにしています。

全人代でこの供給過剰の課題が解消される見通しが立つかに注目です。


■労働市場の安定

中国共産党にとって、体制を揺るがす社会不安につながりかねない失業は重要な問題です。

中国は都市部の失業率について、ここ数年は大枠で安定的だとしており、景気減速にもかかわらず、2015年末時点では4.05%となっています。

多くのエコノミストは実際の失業率はもっと高いとみているが、就業年齢人口の安定的な減少につながっている「一人っ子政策」など、いくつかの要因が見かけ上の低失業率に寄与していると説明しています。

人口が減少しているから失業率も伴って下がっているわけです。

雇用喪失を恐れる地方当局が、仕事がないにもかかわらず、「社会の安定」名目で人員削減を回避するよう企業に迫っている実態もあると指摘しています。

にもかかわらず仕事がなく、赤字続きのいわゆる「ゾンビ企業」の根絶も目指しています。

中国政府はこれら全てを雇用不安に対処しつつ進めなければなりません。


■供給過剰課題の解決が先決

G20でも議題にあがった供給過剰課題の解決が世界的にも求められています。

この課題の見通しが立てば長らく続いている中国経済不安が晴れていくでしょう。

これまで手数多くのテコ入れをしていますが、いずれもその場しのぎに過ぎませんでした。

世界の要求通りの解決策を発表できるか、注目です。