【2/9】長期金利がマイナス、市場は落ち着きをとり戻せるか

日経平均株価が前日終値より900円超下落し、円相場も一時、1ドル=114円台に急伸しました。

いったん落ち着きをみせていた年明けからの金融市場の動揺が再燃しました。


■長期金利がマイナス化

住宅ローンや企業向け貸出金利の目安となる長期金利が一段と低下し、初めてマイナスとなりました。

長期金利の指標となる新発10年物国債の流通利回りは、日銀の新政策導入決定後にマイナス寸前まで急低下しました。

9日の債券市場でも買い注文が一段と集まり、一時、前日終値より0・075%幅低いマイナス0・035%をつけました。終値はマイナス0・025%でした。

世界的な金融不安により、安全資産である国債に買い手が集中しているからです。

「国債の利回りがマイナスになる」とは国債を満期まで持った場合に得られる元本と利息を足した額が、買った値段を下回る現象が利回りのマイナスです。

いま買って満期まで持っていても損が出る異例の事態です。

満期まで持つと損をするほど値上がりした国債でも日銀が金融緩和策としてさらに高値で買い取ってくれます。

満期を待たずに日銀に売れば、ほぼ確実にもうけられます。

そのため買い手が後を絶たないのです。

長期金利はさまざまな金融商品の金利の目安になります。

これがマイナスになったことで、企業の借入金利や、すでに歴史的な低水準にある住宅ローン金利などが下がる可能性がある。

企業や個人としてもコストが下がるわけです。


■原油価格は再下落

国際エネルギー機関(IEA)が発表した月報によると、今年は世界的に石油消費が伸び悩むとの見方が示されたことから再び売りが加速しました。

原油価格はいまだに不安定な動きが続いています。


■米労働市場は堅調

米国労働省が発表した12月JOLT(求人労働移動調査)求人件数は560.7万件と、市場予想の541.3万件を上回り過去最高となりました。

先の雇用統計に加え、堅調な指標となったため、ドル買いが進みました。


■欧州銀行不安も安定化に向かう

先の欧州株急落要因となったドイツ銀は「ドイツ銀が優先債を買い戻すことを検討」と報道したことにより、ドイツ銀株が下げ止まり、リスク回避の動きが一段落となりました。

新なリスク要因として円高が台頭しています。

原油価格と円高、そして今はお休みの中国市場とにらめっこが続きますね。