「忍耐強く」の文言削除。7月の利下げと貿易戦争の行方に焦点

予想通り、可もなく不可もなく。

米連邦準備理事会(FRB)は18─19日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を2.25─2.50%に据え置くことを決定した。ただ不確実性の増大などに対応するために年内に最大0.5%ポイントの利下げが実施される可能性があることも示唆した。

「忍耐強く」の文言は削除

FRBはFOMC声明で、「景気拡大を維持するために適切に行動する」と表明。これまでの声明にあった金利調整に当たり「忍耐強く」対処するとの文言は削除した。

パウエルFRB議長はFOMC後の記者会見で、年内は利下げはないとの見方を示した政策当局者でさえも「幾分緩和的な政策に対する論拠は増大した」との認識を示したと指摘した。

これまで予想されている7月利下げの可能性を一層高めた声明であった。

USTR代表、中国対米首席交渉官と事前に会談

次の視線は、米中首脳会談、貿易戦争の行方だ。

ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は19日、20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)に先立ち、中国側の対米首席交渉官、劉鶴副首相と会談する見通しを示した。

米中通商協議がいつ再開されるかはまだ分からないとしながらも、米国には中国と取り組んでいく明確な意思があると表明。通商合意を得ることは米中両国の国益にかなうとの考えを示した。
通商協議では、中国の報復関税撤廃や新規購入が重要な問題になるという認識も明らかにした。

中国外務省報道官は19日、両首脳が協議したいことをすべて議論するだろうとし、過去40年の米中の歴史を振り返れば、前向きな結果を出すことは常に可能だという認識も示した。

米中の通商合意について両国の利益となるだけでなく、世界の願いをかなえることになるとも発言。最も重要なのは、中国と米国の双方が受け入れ可能な解決策を模索することだと述べた。

総括

トランプ大統領は首脳会談で、「中国と取引するか全く取引しないかのどちらかだ」と発言している。

但し、次期大統領選への出馬を表明さているので、ここでポジティブな結果を出す必要がある。

中国との合意がなければ、世界的経済的打撃は必須のためこれは避けると思われるが、そこはトランプ大統領、これまでの所業から見当がつかない。

さすがに中国と良い関係を持つ必要があるので、何らかのポジティブな結果を出すと思われるが。

一方、日銀金融政策決定会合が本日15時半から開催される。
世界的な金融緩和のなか、また消費税増税を控えたなかどのような声明がなされるのかが注目です。

出典

ロイター 6/20 米FRB金利据え置き、年内利下げ示唆 「忍耐強く」の文言削除

ロイター 6/20 FRBが金利据え置き、年内利下げ示唆:識者はこうみる