米中両首脳が通商協議合意に意欲も未だ進展みられず

米国株式市場は上昇。ダウ平均株価(.DJI)は109ドル値上がりした。米中通商協議を巡る双方の発言が好感されたほか、底堅い経済指標も買い材料となった。

トランプ大統領、「非常に近い可能性がある」

トランプ大統領は米中合意が「非常に近い可能性がある」と表明。ただ最終的な取りまとめを望むかどうかはまだ判断していないと述べた。
トランプ氏が香港人権法案への署名を明言しなかったことも相場を後押ししたという。
経済指標では、11月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が52.2と、10月の51.3から上昇し、4月以来7カ月ぶりの高水準を付けた。市場予想は51.5だった。

習主席、合意取りまとめに意欲

中国の習近平国家主席も通商合意の取りまとめに意欲を示した。
習近平国家主席がこの日、米国と「第1段階」の通商合意をまとめたい考えで、貿易戦争を起こさないよう取り組んでいると表明。
ただ同時に、必要なら報復措置を講じることを恐れていないと述べた。
トランプ米大統領もこの日、米中通商交渉は非常に順調に進んでいると表明。ただ最終的な取りまとめを望むかどうかはまだ判断していないと述べた。

どの程度間近なのか

ジャニー・モンゴメリー・スコット(フィラデルフィア)の主任投資ストラテジスト、マーク・ルスキーニ氏は、市場は米中交渉の行方に慎重だとした上で「合意が間近だという話は前から聞いている。
どの程度間近なのかが問題なのであって、それが分からないために市場は様子見を迫られている」と述べた。

総括

11月も残り1週間となった。
11月に署名すると当初発表されたが、未だに実現されていない。
水面下でまだやり取りがなされているのであろうか。
署名期日が発表されないのも気がかりだ。

年内に署名できなければ、おそらく米国からの制裁がなされるだろう。
そうなると、再び貿易戦争の激化に転ずる。 

今週から12月初にかけて進展がなければ、トランプ砲を警戒したほうが良いと想定する。

出典

ロイター 11/23 NY市場サマリー(22日)

ロイター 11/23 米国株109ドル高、米中協議巡る発言好感 テスラさえず

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