【2/24】改めて振り返る円高の流れ

いらっしゃいませ!

2016年に入って円高の流れに急激に傾いています。

今回はなぜ円高に向かっているのかを振り返ります。


■1/1~1/15 中国経済懸念と地政学リスクと原油安

120.3→117.4の値動き。

中国製造業PMIが軟調だったため、大発会にも関わらず、日経平均は¥583も下落しました。

また、サウジアラビアがイランとの断交、北朝鮮による水爆実験といった地政学リスクの懸念が強まりました。

加えて原油の過剰供給懸念から原油価格が下落を続け、一時1バレル=26ドル台という実に12年振りの安値を更新しました。

こうしたことから年始早々、投資家心理が冷え込みリスクオフとして円が買われていったわけです。


■1/18~1/29 日銀マイナス金利導入発表

117.05→120.03の値動き。

1/28-29の日銀政策決定会合で

「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」

を発表しました。

これにより、再び120円まで円安となりました。

これで投資家心理が回復するかと思われましたが、そう簡単にはいきませんでした。


■2/1~2/12 欧州銀行不振と原油安

120.97→113.2の値動き。

地域の銀行部門の健全性に対する懸念が持ち上がりました。

緩和的な金融環境下で利ザヤが減り、銀行の利益生や資本力が不安視されています。

欧州の金融システム崩壊の懸念が拡がり、リーマンショックの再来とまで言われました。

また、このころから原油の減産協議の思惑が飛び交ってきましたが、減産協議の可能性が示唆されてはなくなるを繰り返し、原油価格の先行きがますます不透明になりました。

こうした混乱のなか、米利上げが遅れるとも見通しが強まり、安全資産である円が買いに買われ、112円台でようやく底入れとなりました。


■2/15~2/24 EU離脱問題と原油の先行きに一喜一憂

113~112の値動き。

円が底入れしたことにより、アク向け感がでて投資家心理が回復しました。

米株、欧州株、アジア株もすべて回復していきましたが、円は相変わらず112~113を推移しています。

原油価格の目先の値動きに踊らされるような値動きが強いです。

また、イギリスのEU離脱問題が台頭。

先行き不透明感が強まり、円安が進まない状況です。


■6月くらいまでは円安に推移しない

安倍政権も日銀も早々に対策を打てない状況です。

そのため、日本発信の改善にはあまり期待できません。

期待できるとしたら6月の日銀政策決定会合でしょう。

今年は米利上げが計4回実施される予定です。

利上げが実施されれば米ドル高円安に進むと思われます。

EU離脱問題、中国経済、原油価格に注視し、動向を見守るしかないですね。