米中「第1段階」通商合意の署名が12月にずれ込む可能性

米中の「第1段階」の通商合意の署名が12月にずれ込む可能性があると、米政府高官が6日明らかにした。条件や開催地を巡る協議がなお続いているという。

合意達成の可能性は高い

同高官は、第1段階の合意が達成しない可能性もまだ残されているとしつつも、達成する確率の方がより高いと述べた。
合意文書に署名する米中首脳会談の新たな開催地を巡っては、これまでに数十の候補地が提案され、欧州やアジアの都市が含まれるという。ただ、欧州となる公算が大きく、スウェーデンやスイスなどが候補地に上がっているという。
トランプ大統領はこれまでに米国内有数の穀倉地帯とされるアイオワ州で署名する可能性を示していたが 、その可能性は排除されたもようという。また、中国からギリシャとの案が出されているものの、複数の米政府筋はその可能性を否定している。

署名は当初、今月中旬に開催が予定されていたチリ・サンティアゴでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせ、トランプ大統領と習近平・中国国家主席が合意に署名する算段となっていた。
また、中国が第1段階の合意の一環として求めている対中関税の撤回についても協議される見通しとなっているものの、合意に向けた進展を頓挫させることはないとみられているという。

来年の米大統領選で再選を目指すトランプ大統領が議会の大統領弾劾調査の圧力にさらされていることを踏まえ、中国側は早い時期での合意こそが最良の条件を引き出せるとにらんでいるとみられると、同高官は指摘する。
中国通商交渉団に近い筋によると、中国は米政府に対し「可能な限り早い段階にすべての関税を撤廃する」よう引き続き要請しているという。

総括

中国は土壇場で合意条件をひっくり返した実績がある手前、最後まで油断はできない。

一方、トランプ大統領も自国株、市場が最高値付近になると「トランプ砲」と呼ばれる強気ツイートを発信するため、これも油断できない。

前年は米中貿易戦争が勃発し、12月に大暴落を記録している。
その再来とならないことを願う。

出典

ロイター 11/7 米中通商合意署名、12月にずれ込みも 条件など協議継続=高官

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