貿易戦争の拡散と欧州懸念の拡大

5/17の米国株式市場は下落して取引を終えた。通商面での緊張が続き、工業株やハイテク株が軟調に推移した。

米中通商協議が行き詰っているとCNBCが報じると下げに転じた。
中国外務省の報道官は定例記者会見で、意味のある通商交渉にするためには、米国側が誠意を示さなければならないと強調した。
中国側の反応を受けて米国との通商を巡る緊張が悪化した。

貿易戦争、各国に拡散

米国を取り巻く貿易摩擦は多方面に広がっており、対中以外では、米国は輸入自動車や部品に対する関税の判断を最大6カ月延期すると正式に発表。
また、トランプ米大統領はカナダとメキシコに対する鉄鋼・アルミニウム輸入関税を撤廃することで合意したと発表した。

通商関係のニュースを受け、好調な米経済指標の影響は限定的。
米ミシガン大学が17日公表した5月の消費者信頼感指数(速報値)は102.4で、前月から5.3%上昇し、2004年以来の高水準となった。

EU懸念拡大

欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を巡る政府与党・保守党と最大野党・労働党との協議は17日、労働党が協議を打ち切り決裂した。ブレグジットは再び先行きが見通せない状況となった。

離脱案はこれまで3回にわたり否決。メイ首相は1カ月以上前から行き詰まりの打開に向け野党と協議を行ってきた。
メイ首相は、欧州議会選を前に有権者へのテレビメッセージで、国民投票の再実施を巡る労働党内の分裂が協議決裂の原因と示唆した。

イタリアのサルビーニ副首相がEU財政規律に批判的な発言も懸念材料だ。

総括

貿易赤字をなくしたい米国。
貿易戦争が中国から他先進国にターゲットを移しつつあります。
日本は輸出で儲けているところがあり、関税が追加されれば経済的打撃を受ける。
特に自動車産業に打撃を受ければ、自動車の部品業界にも連鎖的に打撃を受ける。
ファーウェイの規制も同じく、スマホ部品業界に打撃を受ける。
トランプ氏はこのように国内生産の需要を上げる策を次々と打ち出している。
日本はこれまで儲けてきた2つの経済大国に依存しない新たな儲け先を検討しなければならないかもしれない。

欧州は不穏な動きが水面下で続く。
特に英国のEU離脱はやはり纏まる気配がない。

世界情勢はまだまだ混沌が続く。

出典

ロイター 5/17 米株は工業株主導で下落、通商巡る緊張続く

ロイター 5/17 EU離脱巡る英与野党協議が決裂、先行き再び不透明に