【4/18】原油は増産凍結合意ならず、サウジとイランの対立
石油輸出国機構(OPEC)の加盟国や、非加盟のロシアなど18の産油国が17日、供給過剰にある原油の生産を増やさないための凍結具体策設立に向けてカタールの首都ドーハで会合を開きました。
しかし、会合は合意ならず、議論は6月の会合まで見送ることになりました。
■凍結に応じないイラン
合意に至らなかった原因は増産凍結を拒否してきたイランの参加をサウジアラビアがこだわったためです。
イランが増産凍結を拒否する理由があります。1月に欧米から経済制裁を解除されたイランは制裁前の生産水準に戻るまで増産凍結には応じない方針で、会合への参加を見合わせました。
シェアを取り戻すために原油をどんどん売っていきたいのです。会合が開かれる前はイランが参加せずとも増産凍結すると楽観視されていましたが、イランの不参加をサウジアラビアが許しませんでした。
OPEC最大の産油国のサウジアラビアが強硬な姿勢を崩さない限り、協議の決裂は避けられない状況でした。
■政治的対立が深まるサウジアラビアとイラン
今年初めにサウジアラビアとイランは国交断絶しました。
イスラム教スンニ派国家のサウジアラビアがシーア派指導者ニムル師を処刑したことに対し、シーア派国家のイランで大規模な抗議デモが発生した問題は、両国間の外交問題に発展しました。
政治でも対立している両国が原油価格の動向においても対立することになりました。
ロシアなどはイランに猶予を認めることに理解を示していたが、サウジアラビアは最後まで折れませんでした。
■次回会合は6月
今回は増産凍結を見送る形となり、議論は続行されることになりました。
次の会合は6月です。
6月に増産凍結できるか、産油国の動向に注目です。
それにしても6月はFOMC、英国EU離脱国民投票など重要イベントが目白押しとなりましたね。
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