イラン意図的に米軍被害回避か、トランプ氏は軍事力行使「望まない」

イランが米国による司令官殺害の報復として米軍が駐留するイラクのアル・アサド空軍基地などに行ったミサイル攻撃について、
米欧の政府筋は８日、イランが意図的に犠牲者を出さなかったとの見方を示した。

匿名の関係筋は、イランが米軍の空爆によるイラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官殺害への報復と示唆しながらも、事態が統制不能に陥らないように米軍を標的から外したとみられると指摘。

トランプ大統領、必ずしも軍事力を行使する必要はない

トランプ米大統領は８日、米軍による革命防衛隊のソレイマニ司令官殺害に対するイランの報復攻撃で米国人の死傷者は出なかったと明らかにした。また必ずしも軍事力を行使する必要はないと述べ、危機打開に向けた姿勢をにじませた。

イランは８日未明、米軍が駐留するイラクのアル・アサド空軍基地に複数のロケット弾を発射。
米国防総省によると、米国主導の有志連合軍が駐留する少なくとも２か所のイラク軍基地に対し、イランから十数発の弾道ミサイルが発射された。
トランプ氏は「昨夜の攻撃で米国人の死傷者は一人も出なかった」とした上で「米国は優れた軍隊と軍事装備品を保有している。
しかし、それを使用しなければならないということではない。米国は（軍事力の）行使を望んでいない。米国が持つ軍事面と経済面における双方の力こそが最大の抑止力になる」と語り、イランへの軍事行動を巡って直接的な警告を避けた。

追加制裁を表明

同時にイランの「侵攻」への対応として、追加的な経済制裁を即時発動する方針を表明した。制裁の具体的内容には触れなかった。また「世界がより安全で平和になるよう、われわれは一致してイランとの合意に向け努力していかねばならない」とし、各国に協力を求めた。

総括

米イランともに全面紛争は望まない姿勢を見せており、一安心といったところ。
但し、対イランへの制裁については、手段は限られているとの見方もある。

過激な姿勢が目立つトランプ大統領だが、以外にも軍事行動には積極的でなく、今回もそれが露となった。

ひとまずは落ち着きたいところだが、まだまだ緊迫した状況は変わらないため、引き続き注意していきたい。

なんにせよ、戦争は反対。

出典

トランプ氏、イランへの反撃明言せず　軍事力行使「望まない」

イラン、意図的に米軍被害回避か　駐留基地攻撃で＝関係筋