期待で上がる米国市場。FOMCに集まる期待

市場は過熱感を増す。

17日の米国株式市場は、米連邦公開市場委員会(FOMC)に注目が集まる中、ハイテク株に支えられ小幅高で取引を終了した。

連邦準備理事会(FRB)は18─19日のFOMCで金利を据え置くとみられているが、声明では米中貿易摩擦の影響に関する見解が示される見通しで、年内の利下げに向けた地ならしを行うとの見方が大勢となっている。
ニューヨーク連銀が17日公表した6月のNY州製造業業況指数が過去最大の落ち込みを記録したことも年内の利下げ期待を高める要因となった。

FOMCでは19日の1800GMT(日本時間20日午前3時)に声明が発表され、その後、パウエル議長が記者会見を行う予定。

世界の市場はFOMCに焦点を当てている。

米国内の利下げ要求高まる

トランプ大統領や他の米高官から執拗かつあからさまな「利下げ要求」が高まっている。

ニューヨーク連銀が17日公表した6月のNY州製造業業況指数が過去最大の落ち込みを記録したこともあり、経済的復活にはもはや利下げはせざるを得ない、という状況ではある。

そのため金融市場が複数回の利下げを織り込みつつあるなか、FOMCが緩和バイアスを示せば、株高、米長期金利低下でドル安となり、様子見継続なら株安、金利上昇でドル高というトランプ政権が最も嫌悪する流れとなりそうだ。

パウエル議長の表現に注目

5月1日のFOMCで「金融政策を上下どちらかに動かす必然性はない」と発言していた中立的な立場だったが、
6月4日、米中貿易戦争激化に懸念を示し、「景気拡大を持続するために適切に行動する」と発言して、景気が悪化すれば金融緩和に踏み切る姿勢を見せた。

これにより、市場は年内複数回の利下げを折り込み始めたのである。

FOMCでは議長の「表現」に注目され、これにより経済政策指針を読み取ろうとする。

市場の期待

前述の通り、折り込まれている利下げストーリーは以下である。

・7月に利下げ
・12月に利下げ

次回のFOMCで、この2つが示唆できれば予想通りとしてリスクオン、
それ以外は期待外れとしてリスクオフとなり、株安を招く。

米国市場は期待だけで値上がりしている

米国市場は、直近で発表される経済指標が次々と軟調であることが判明しているなか、株式市場は微少ではあるが上昇している。

つまり、実態経済と株価が解離しつつある。

こういった期待だけで株価が上がることは度々起こり、その期待はいつかは裏切られ、世界的株安の原因となる。

貿易戦争や、イランと関係といった地政学リスクも上昇し、株価市場は緊張感が高まっている状態である。

その他、日本は参議院選挙、欧州は英国EU離脱といった問題を抱えており、アノマリー通り秋にはまた世界的な一時的株安が発生すると予想する。

但し、世界的株安は毎年一度は発生するイベントである。
これに準備をしているかしていないかが重要です。

出典

ロイター 6/18 米株、ハイテク株買われ小幅高 FOMCに注目

ダイアモンド 6/13 米中摩擦でFRBが方針転換、市場は年内2回の利下げを織り込む