参院選は与党過半数獲得も3分の2には届かず

第25回参院選が21日、投開票された。与党の自民、公明両党は改選過半数の63議席を上回った。憲法改正に前向きな「改憲勢力」が非改選議席とあわせ、国会発議に必要な参院の3分の2を割り込んだ。

今回の参院選は改選定数が選挙区で1、比例代表で2増えて124議席になった。自民は32の1人区(改選定数1)の3分の2で勝利し、比例も改選19議席を上回る可能性がある。公明は改選11議席を上回った。

首相は2012年12月の衆院選から国政選挙で6連勝し、6年半以上続く長期政権の基盤をさらに固めた。首相は21日夜、NHK番組で「国民は安定した政治基盤のもとに政策を進め、外交を展開し国益を守れという判断をした」と語った。

首相の自民党総裁の任期は21年9月までだ。首相は4選の可能性について「全く考えていない。(党則は)決まっていることだから残り任期でやるべきことをやりたい」と語った。残り任期の課題に(1)北朝鮮による日本人拉致問題(2)日ロ平和条約の締結(3)デフレ脱却、の3点をあげた。

米中通商協議再開の可能性高まる

話題は変わるが、米中通商協議にも進展があった。

米国と中国が約1年におよぶ貿易戦争終結を目指す中、ムニューシン米財務長官とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が18日、中国側の高官らと電話会談を行った。会談に先立ち、ムニューシン氏は今後、対面協議再開につながる可能性もあるとの期待を示していた。

ムニューシン氏は電話会談前財務相・中央銀行総裁会議の開催地である仏シャンティイでのインタビューで、ライトハイザーUSTR代表とともに中国側の高官らと電話協議に臨むことを明らかにし、「現時点で高官級の電話協議を行っており、対面協議を設定することが理にかなっているという意味では今後の実施に期待している」と述べた。この日の電話協議が対面協議につながる「可能性はあるが、結果に関して憶測は控える」と述べていた。
USTRはその後、予定通りに協議が行われたことを確認した。ただ、詳細は明らかにしなかった。
中国外務省も19日、米中が両国の首脳の間で得られた合意を実施に移す方法について協議したと表明。ただ詳細については明らかにしなかった。
また、元駐アイスランド大使を務め、中国外務省下の研究機関、中国国際問題研究院の代表だったSu Ge氏は、正式な議論が今月再開するとの見方を示した。「(両国は)難しい問題に直面しているが、少なくとも実務レベルの交渉の再開では合意したため、期待を持って見守りたい」と述べた。

ミルケン・インスティチュートの首席エコノミスト、ウィリアム・リー氏は、米中はいずれも重要事項で譲歩する用意は見せておらず、緊張は高まっていると指摘。「不確実性の高まりを受け製造業者は投資に慎重になっており、米経済成長の足かせとなっている」と述べた。また、「中国は自国が尊重されることを望んでいる。中国は面目を保った上で交渉の席に着きたいと考えている」との見方を示した。

トランプ米大統領は19日、記者団に対し「ムニューシン長官は中国と電話会談し、非常に良好な対話をした」と語った。
その上で、中国経済の減速に言及。「中国の情勢は芳しくなく、27年ぶりに低調な年となった。半面、米国は最高潮の年になっている」と述べた。その上で「どうなるか見守ろう」とし、中国の成長鈍化が通商交渉を後押しする可能性があるという見方を示した。

総括

予想通り、与党の議席過半数獲得で終わった参議院選挙。

これから消費税増税、日米通商協議が始まる。
日本経済にとってネガティブな影響となる要素は多いが、それよりも影響が大きいのは、やはり中国経済の鈍化といった世界経済の動向だろう。

また、日本が真に強い国となるためには、産業の刷新も必要。
先日、ソフトバンクの孫社長が「日本はAIでは発展途上国となっている」と発言されている。
かつての日本の高度経済成長は、世界に誇れる技術があってこそであったと考える。
今の日本にそれがないわけではないが、中国などに劣ってきているのは確実だ

経済政策ももちろん重要だが、産業の改革も必要だ。

出典

ロイター 7/20 米国株下落、7月米利下げが小幅との見方で

ロイター 7/20 米中、貿易巡り「良好な対話」=トランプ大統領

ロイター 7/20 米中閣僚が貿易問題で電話会談、米財務長官は対面協議に期待

日本経済新聞 7/21 与党改選過半数 改憲勢力は3分の2届かず