貿易戦争に動き、メキシコ・中国の追加関税の行方

ここに来て貿易戦争の進展が加速している。

メキシコ追加関税の先送り検討

株価の急落を受けてだろうか。

米国は、トランプ大統領が表明したメキシコからの輸入品への関税適用を先送りすることを検討している。ブルームバーグが6日、匿名の関係者の話として報じた。メキシコとの協議に時間をかけるためという。 

トランプ大統領は5月30日、メキシコが中米などから米国に向かう移民を阻止しなければ、今月10日に同国からの全輸入品に5%の関税を適用すると表明していた。

対中関税の追加は会談後に決定

トランプ米大統領は6日、月末に大阪で開催されるG20(20カ国・地域)首脳会議期間中に予定する習近平中国国家主席との会談後に、新たな対中関税を発動するか決定すると述べた。

そんな中、米商務省が6日発表した4月の貿易赤字は前月比2.1%減の507億9100万ドルだった。モノの輸入が15カ月ぶりの低水準となり、民間航空機を中心とした輸出の落ち込みを相殺した。市場予想は507億ドルだった。

トランプ米大統領が掲げる「米国第一主義」政策の中心的な課題である対中貿易赤字は29.7%増の269億300万ドルとなった。一方、対メキシコの貿易赤字は14.1%減の82億ドルとなった。

この対処として、更なる追加緩和に火がつけられるのか。

米利下げ、判断は時期尚早

米ダラス地区連銀のカプラン総裁は6日、世界的な貿易を巡る緊張の高まりによる影響で連邦準備理事会(FRB)の利下げが正当化されるかどうかを判断するのは時期尚早との考えを示した。

カプラン総裁は、通商を巡る問題で企業投資に対する下向きリスクが増大し、最終的には米経済成長のリスクになるとしながらも、「しばらくの間、様子を見ることが理にかなう」と述べた。
その上で「決定事項が変更され、向こう4─5週間で新たな発表や決定がある可能性もある。懸念はしているが、措置を取ることが適切であると判断するのは時期尚早と考えている」と語った。

総括

米国第一主義からすると、今回の貿易赤字の対策はなんとしてでも結果を出さないといけない。

経済成長が危ぶまれる中国がおれるか、第一主義を曲げても米国が折れるか。

追加関税がなされ、米国の利下げが決定されるのが、目下のストーリーかもしれない。

出典

米国、メキシコ輸入品への関税適用の先送りを検討=通信社

トランプ米大統領、対中関税巡る決定は「G20直後」

米貿易赤字、4月2.1%減 対中では29.7%増

米利下げ、貿易問題で正当化されるか判断は時期尚早=ダラス連銀総裁