日商簿記範囲外のEX論点【有価証券②】~有価証券の空売り~
日商簿記3級から1級の範囲外の論点、および範囲内ではあるものの出題率の極めて低い論点を紹介します。
基本的に、公認会計士・税理士等で紹介されるような論点となります。
なお、論点に対しての適用指針等は紹介しません。
今回は、有価証券の論点から「空売り」を紹介します。
1.空売り
概要
株取引のうち、現時点で所有していない株式を、証券会社もしくは株主から借りたうえで売ることを「空売り」と呼んでいます。
将来、株価が下落するだろうと予想して行う取引の為、株価が下落すれば利益が発生し、株価が上昇してしまうと損失が発生してしまいます。
なお、空売りと信用取引の売り(信用売り)は、取引としては類似したものですが、上述の通り、空売りは必ずしも信用取引のみに限定されるものではありません。
仕訳
空売り時の仕訳
空売り時は、売却価格で売付有価証券勘定(負債)を計上します。
期末時の仕訳
期末時の時価評価は、有価証券の処理に準じます。
注意点として、空売りの性質上
時価が上がった場合 ⇒ 評価損を計上
時価が下がった場合 ⇒ 評価益を計上
することになります。
売却(決済)時の仕訳
売却時の処理は、有価証券の売却時に準じます。
2.例題
<1>空売り
以下の取引について仕訳を示しなさい。 (単位:円)
なお、当社は切放法を採用している。
①証券会社よりA社株式を借り、空売りを行った。
空売り時の時価は40,000円であった。
②期末を迎えたため、時価評価を行う。
A社株式の決算日時価は45,000円であった。
③市場からA社株式の買い戻しを行い、決済した。
決済時時価は42,500円であった。
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