⑭マガジン原作大賞に向けて、第一話を分析してみた ~ NARUTOーナルトー ~

あらすじ

うずまきナルトは木之葉隠れの里の忍者見習いで問題児だった。そんななか先生のイルカは、両親のいないナルトの気持ちを察してラーメン屋につれていく。ナルトはそこで、イルカに将来の夢を嬉々として話した。翌日の卒業試験、ナルトは分身の術に失敗し落第してしまう。卒業生が嬉しそうにしているのを見て、ナルトはそっと、その場を去る。そんなナルトに、先生のミズキは優しく声をかける「君にとっておきの秘密を教えよう」。ナルトはミズキに教わった通り、封印の書を盗みだし、そこに書いていある忍術を習得しようと練習する。一方里では、ナルトが封印の書を盗んだことで騒ぎになり、ナルトの捜索が始まる。イルカがナルトを見つけると、ナルトは嬉々として言う「すっげー術見せっからそれができたら卒業させてくれよな!!」。イルカが封印の書について聞くと、ミズキから教えてもらった、と答える。その瞬間、鋭利なクナイが飛んでくる。ナルトをかばい、イルカは負傷する。イルカはミズキの計画をナルトに言う。お返しとばかりにミズキは里ぐるみで隠されていたナルト自身の秘密を明かす。ナルトは12年前に、イルカの両親を殺し、里を壊滅させた九尾の狐だった。「お前なんか誰も認めやしない」そう言いナルトを殺そうとするミズキ、イルカはナルトをかばい巨大な手裏剣を背中に受ける。
みんなから仲間はずれにされた、利用された、でも、傷ついてまで、自分を守ってくれる人がいる。
整理のつかない気持ちを抱えたまま、ナルトはその場から走って逃げだした。ナルトを追うミズキとイルカが再度ぶつかる。あのバケ狐・・・は巻物の力を利用する、そう主張するミズキ。対してイルカはナルト・・・は違う、と断言する。「今は もうあいつはバケ狐じゃない」「あいつは木之葉隠れの里の」「うずまきナルトだ」。負傷したイルカにトドメを刺そうとするミズキに、隠れていたナルトは飛び出した。「イルカ先生に手ェだすな」そういって、ミズキの前に立つ。襲いかかるミズキを影分身の術で倒す。「ちょっとやりすぎちゃった」そんなナルトに、イルカは「お前に 渡したいもんがある!」木の葉の額あてをつける。それは一人前と認められた証だった。「卒業・・・ おめでとう」。

主題

自分を認めてくれる人がいる

パンチライン

忍術バトル漫画

構成

起:P5 ~23 みんなの視線 将来の夢(キャラクター紹介)
承:P24~40 利用される 秘密にされていた正体 ☆
転:P41~50 イルカ先生イケメン
結:P51~59 卒業

注目点

あらすじ、ながっ。
そのくらい、本筋に関わる内容の伏線を、随所に張り巡らせている証拠です。あとは、絵で分からせる力がスゴい。これは実際に読んでもらうと実感できると思います。
閑話休題
注目点は(ホントはいっぱいあるけど)1点。「裏切り」です。
良い意味での裏切りがたくさん盛り込まれています。

「キャラクターの裏切り」

ミズキ先生、良い人なんですよ。たった11コマで、良い先生なんだと分からされて・・・・・・しまう。そして、そのあとに華麗に裏切る。良い意味で、たまらん、です。でも、この裏切りにはちゃんとヒントがあって、親指のツメ1枚分くらいの小さなコマに、ミズキ先生の怪しい目付きをしたシーンが紛れています。ちゃんと裏切りますよ。とメッセージつきの裏切り。素敵ですね。
さらにもう一つ。

「展開の裏切り」

20年近く前のことですが、荒木飛呂彦先生の講演を聞く機会がありまして。そのなかで特に記憶に残っているのが、漫画の構成についてのお話でした。先生が「本当は・・・」とおっしゃりながら、六壁坂の原稿をプロジェクターに写し、実例を交えてお話を頂けました。
漫画の構成は「しょうてんけつ」ではなく、「しょうてん々々々々々々てんてんてんてんてんてんけつ」だと。そのくらい、どんでん返しの部分を作るところが大切だ。そういった趣旨のことを仰っていました。
このNARUTOにも、転に当たる展開が部分がたくさんあります。あらすじでは泣く泣くカットしましたが、読めとめちゃくちゃ参考になります。

ながくなりましたが

読めばわかる、スゴいやつや。

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#週刊少年マガジン原作大賞にむけて、色々な漫画の第1話を分析しました。漫画原作を初めて書く方や、絵には自信があるけれども、シナリオはちょっと、という方にオススメです。

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