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人影に魅されて(2/2)
❞人影に魅されて❞(2/2)
ふたりは、白いさん橋から島の周囲に沿う小道にもどり、集落の先に進んでみることにした。
「まただれかと出会うのかしら?」
ルビンが尋ねると
「そうだね。道がつづくということは、きっとだれかに会えるさ」
そういうと、セマンは上空から見下ろすことにした。
大きな広場があって、古びてはいるが大きな建物がみえた。屋根は瓦。まわりに民家もちらほら
人影に魅されて(1/2)
❞人影に魅されて❞(1/2)
もえぎの島に帰りついた。
セマンが、
「これは、人の歩く道だよ。この島で生活する人や、この山の緑やきれいな空気で英気を養うためにくる人も、ここを通るんだ」
というと、ルビンは、
「どんな人たちなんだろう。だれかに会えるといいなあ」
するとセマンは、
「じゃあ、もうすこし待っててね。そうすれば会えるから。こんどは、まえだとか、左だとかはい
空と海の気(2/2)
❞空と海の気❞(2/2)
ルビンは、はじめて水面近い潮風をうけながら、空と海の気を浴びていた。
「またまた気をもらってま~す」
と、海のかおりで満喫するルビンをみて、セマンは、連れてきてあげたことに安堵の胸をなで下ろしていた。
「海って、どう?」
ときくと、
「なーんにもいらない。一生ここでこうしていたい」
よほど満足しているとみえる。
「この海は、だんだん
空と海の気(1/2)
❞空と海の気❞(1/2)
ルビンは、夢のなかで、もうひとつの眠りにはいっていた。
もえぎの島の静寂を破るように、第三者が登場した。
ぴーひょろろー。ぴーひょろろー。
陽気に満ちた明るい上空には、トンビが意気天をつく風格で上昇気流にのり、大きく翼を広げ、ゆっくりと八の字を描いて舞う。万物に気をとどけるような鳴き声で、遠くにとおくに呼びかける。
ぴーひょろろー。
ルビンは、