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宝塚歌劇「ピガール狂騒曲」観劇

宝塚歌劇の大ファンはなちんママさんに誘っていただき、観劇へ出かけた。宝塚歌劇は二十数年前にベルばらを観て以来。

歌舞伎や宝塚って、観に行くにも何かお作法があるようで敷居高く感じていたが、そんなこともないとわかった。

チケットは公式ページからスマホで簡単に取れるし(今はコロナの影響で入手困難なチケットも楽々GETのチャンス!)

宝塚駅へは阪急からもJRからもアクセスが良く、意外と短時間で着ける。

今回観たのは、はなちんママ激推しの月組公演

JAPAN TRADITIONAL REVUE 

『WELCOME TO TAKARAZUKA -雪と月と花と-』 

ミュージカル 『ピガール狂騒曲』

これまでにWOWOWで月組のお芝居が放映されるのを、はなちんママから勧められいくつか見た。

すると意外なほど、いわゆる「宝塚らしさ」を超えお芝居として、なかなか面白かった。

男役トップの珠城りょうさんは体格、声質が良く、自然な男らしさを感じさせる逸材。

宝塚初心者の私だが、ダイキンのCMで珠城りょうさんの声が聞こえた瞬間、あ!とわかったもの。

せっかくお名前を覚えたのに、もう退団が決まっているそうで…。

きっと彼女は今後、益々活躍されると思うが、宝塚での素敵なお姿を一度は直接観ておきたかった。

宝塚もコロナでずいぶん長い期間、休演が続いた。

はなちんママも一年ぶりの宝塚に感涙…。

演者始め劇場側も心底つらかっただろう。

今回の舞台は浮世のアレコレを忘れ、華やかさに酔い、ドタバタコメディーで笑えるサービス満点の作品。

レビューは全員お着物。

金の扇を巧みに使い、艶やかに舞う。

見事に揃った動きは流れる水、吹く風の如く…。感嘆する。

しばらく観ていると、一糸乱れぬという風ではないのがわかる。

娘役の舞は、やはり女性らしさがあり、そこが何とも可愛らしく魅力的なのがわかってくるし、

それによって男役の男らしさも際立ってくる。

和装、摺り足。坂東玉三郎さん監修の本格的な日本舞踊に対して、

音楽は洋。

♪WELCOME! WELCOME TO 宝塚!

と扇を振りながら歌う。

この和洋折衷に違和感がない。何でも飲み込んでしまう宝塚!

幕が開き照明がついた瞬間、

ステージ上に大人数のキャストが見事にフォーメーションを組んで勢揃い。

暗がりの中、毎回美しく並ぶのはすごいと思うと、はなちんママが言い私も頷きながら

暗転板付きという言葉が記憶の底から浮かび上がった。

演劇学校での稽古の日々が懐かしく思い出される。

真っ暗なステージのどこに自分が居れば良いか、暗転板付きは特に全員で何度も練習を重ねる。

まっすぐに前を見た時、何がどの位置に見えるかをしっかり覚えるようにと指導された。

あの頃は私は観客席側でなく、舞台側にいる人間だと思っていたなぁ。

舞台を観ても、自分ならどう演じるかを考えていた。

もっと上手にできるとさえ自惚れていた。

今はさすがに穏やかな気持ちで舞台を楽しめる。

それでも兵庫県立演劇学校で3年学んだ経験や知識は観劇に役立つ。良い観客になれる。

昔と違うと思うのは、やはり照明。

LEDライトは明るく、舞台上の役者の表情がクリアに見える。

トップスターはこれでもか!と照明で照らされるので、かなり眩しいだろう。

昔の照明は熱があったので暑かった。暑くないのはありがたいだろうなぁ。

それにステージの上はホコリがすごかった記憶があるが、換気システムが良いようで、それも改善されている様子。

今はコロナ対策で換気を十分に行っているおかげもあるかも。

本公演では第106期生のお披露目もあった。

組長 光月るうさんが裃をつけちょんまげ姿で口上を述べる。

男役って、ちょんまげでもカッコいいのよ…すごいよね…!

口上の節回しが完璧だからこそ、カッコ良いんだと思う。

中途半端さが見えたら、途端に崩れる世界。

新人たちの精一杯さも初々しく好感。

そして休憩時間。幕あいに併設のレストランで食事。

35分でこれを食べきるのは、…ギリギリ!

観劇中に電源を切っていたスマホを起動させて写真を撮る時間がなく、はなちんママさんに写真をもらった。
美味しそうに撮れてる!

一品一品すっごく美味しかったんだけど、ゆっくりとは味わえない~~

次に行く時は、もう少し少なめのメニューにしよう…。

ミュージカル「ピガール狂騒曲」はシェイクスピアの「十二夜」を下地に舞台をアール・ヌーヴォーの時代のパリへ移したもの。

画家のロートレックが実名で登場し、代表作の絵が舞台のあちこちに描かれている。

これは私には大変嬉しい。先日、ミュシャ展に行ってきたところだし。

モンマルトルの赤い風車小屋ムーラン・ルージュも、昔パリ旅行をした時、行きたかったんだけど、女性だけで行くには風紀が…と言われ、断念したのよね…。

フレンチカンカンのラインダンスは、花の都パリの香りいっぱい。
この時、舞台の奥が鏡になって客席を映し込み、観客をも芝居に参加させた演出には、おおっ!と驚いた。

劇場の支配人、ダンサーたちの声が今の実情とかぶって聞こえ、リアリティーを増して響く。

所々、コメディー要素も濃く、客席にはしっかり笑いが起こっていた。

回転舞台で円滑に行われる場面変換。

花道や客前の通路も上手く使う。

コロナのせいで生オーケストラがなかったのはとても残念だが、空のオケピットに板を渡して通れるようにしていたのも、今ならではのアイディア。

もう少しテンポ良く話を進めても良いような気がしたが、う~~ん…

あまり速いとついていけないかもしれないので、あれでいいのかも。

大階段が現れ、豪華なフィナーレ。

すごい羽を背負って登場するのを生で観ると…いやはや…ほんと、すごい!

宝塚の衣装は、あ、これ、本当にちゃんと作ってるんだって客席から遠目に見てもわかるクオリティー。

ドレスの裾の揺れの計算も見事。

眩しいくらいに煌めくジャケットには、一体いくつのスワロフスキーが使われているのか…。

相当、重いのでは…。

そして、トップはこの人!と一目で皆がわかるくらいひと際、豪華&スポットライト!

大きな羽飾りと共にいろんなものを背負ってステージ中央で輝く珠城りょうさん。

私、本当はこの方のスーツ姿が好きなのよ。

特にベルトをした腰が好き。

と、はなちんママに告白したら、

「え?ベルト?ベルトですか?」と聞き返された。

腰がガッシリと男らしく見えるベルト姿なんですってば。

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