夏の終わりはいつでも気がかりなまま秋の色かな
サザンは夏の歌のイメージ?
否。
実は季節が移りゆく今こそが聴き時。
サザン、桑田作品で描かれる夏は、いつも唐突に終わる。
あれだけ暑かったのに、ひんやりとした風が吹き、夏が終わったと気付かされる。
水着の男女で賑わっていた海辺にも今は人影もなく、自分一人。
この夏ずっと着ていたお気に入りのTシャツも夜には冷える。
いつまで夏服なんだ?と人に笑われ、恥ずかしさを噛み締め、焦る。
自分だけが時の流れから置いて行かれてしまった気分。
急な手のひら返し。
不可逆的。
それは、夏に熱く愛し合った恋人が突然、離れていってしまい、一人ぼっちになった惨めさと重ねられている。
季節の移り変わりと恋人の心変わりを掛ける歌は古来から詠まれる。
四季を持つ日本人が共有する情緒。
だから、サザンの曲は理屈でなく、心の奥深くでわかる。
…とは言うものの、本来お盆過ぎくらいの頃の、ちょっと涼しくなってきた季節感。
一ヶ月くらいズレている…。
やはり夏の暑さは年々異常よね……。
※タイトルは原由子「恋は、ご多忙申し上げます」(作詞 桑田佳祐)より
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