やたももを読んで

答え合わせは怖い。
テストを受けて答え合わせをするとき、返却されて間違いを知るときいつも緊張をしていた。

誰かの顔色を伺うとき、相手にとっての正解を探った。
答え合わせが怖くて、違うよと言われそうな気配を勝手に感じ取ってうやむやにしたり、時には真摯に向き合っているふりをしてやり過ごす。

相手の核心をつかないように自らを汚して話題をすり替える。

答え合わせから逃げるための模範解答をいくつももっている。

それが正解かどうかなんて関係ない、と言いながら答えを聞かないのは臆病が故なのに、自分勝手なだけ、空気が読めないだけよとヘラヘラしながら生きる。

自分には何もないんだよと言いながら、薄皮のようなプライドで自分を保つ。

モモはそんな人物なのかなと感じた。

そして、本当はもっと奥の方にいる自分に気付いてもらえたモモがとても羨ましいと思った。

この物語はおとぎ話だ。

あまりにもモモが自分に重なってしまって、自分の持っていた箱がひっくり返されたようだった。

やめてやめて、せっかく閉まっておいたのに。
整理をして閉じ込めておいたのに。

どうして蓋を開けたの?

そんな気持ちになったお話でした。

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