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胸懐
なあ、俺のどこがそんなにいいんだ?
その言葉が何度も俺の身体をかすめては通り抜ける
俺はアイツの何が良いのか
聞かれても答えが出ないくせに、と、思う。
想いの伴わない言葉は道草の雑草のように際限なく茂り、時に道ゆく者の行手を阻み、時にはその柔らかな葉で皮膚を切り付ける。
想いをのせた言葉は己の想いとは裏腹に、土の中で眠り続ける。
大切にすればするほどにその想いは最も簡単に朽ちることを知っている。
焦がれる想いに理由は後付けできても
本当のところは誰もわからないと思う。
例えば今紅く染まる空の下で
お前のことを考えていることも。
このまま陽が沈んで星が消えて暗闇に2人残されたとしても構わないと思う事も。
そこに理由があってもなくても
言葉にするとそれはもぎり取った葉のように生気を失う気がした。
そろそろ戻りましょう。
そう言うお前に
もう少しだけとわがままを言ってみる。
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