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ガラム

名前も知らない男が置いていったタバコを口に咥える

唇から浅い甘みが伝わる

火をつけ、煙を含むと舌に苦味が広がる

頭が少し痺れる気がして
もう一度煙をゆっくりと吸う

微かだか確かに何かが俺を締めつけた

心地よいかどうかもわからない
けれど確かな感覚

甘味 苦味 そして苦痛

噛み合わない感覚が煙となってまとわりつく

見つからない答えを手で探るように
もう一度と…と手を伸ばす

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