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妹の携帯に入っていた写真と曲

通夜と葬儀の会場には、妹の携帯に入っていた写真アルバムから、いくつかの写真を印刷し、祭壇横に飾らせていただきました。

昏睡に近い状態が続いていたままでの、突然のお別れとなってしまったで、本人がこのような形のお式を望んでいたのかどうかはわかりませんが、家族で話し合い、来ていただける皆様に

こんなに楽しい時間を一緒に過ごしてくださり
【ありがとうございます】
の気持ちで選ばせていただきました。

本当はもっともっとたくさん見ていただきたかったのですが、掲示できる範囲で、最近のものを選ばせていただきました。

ここ2年は元気な日よりも、体調のすぐれない日の方が多かったと思います。

しかし、お友達となんとしてでも会いたい、一緒に出かけたいと、予定が決まると、主治医の先生と相談して、抗がん剤投与のスケジュールを調整して、副作用の出る期間をずらすようにして、出かけていました。

それを見ていた母は、心配しながらも
「行っておいで!楽しんどいで!」
と笑顔で送り出すようにしていたそうです。

本当は母はめちゃくちゃ心配性で、
出先で何かあったらどうしよう
熱が出るんじゃないか?
倒れるんじゃないか?
帰ってこれなくなったらどうしよう
そんなことばかり考えていたと思います。

しかし、日に日に体調がすぐれない日が増えていく生活を共にしていた母は
「好きなことをやらせてあげたい」
という気持ちを最優先して
「気をつけて行っといで!」
と送り出していたそうです。

そして帰ってきてからは妹は、全ての力を使い切り、バタリと倒れ、数日間動けない寝たきり生活を送ります。
そしてようやく回復して起きれるようになってから母に、
「こんなメンバーで、どこに行って来たよ。
こんなことあったよ、こんなもの食べたよ、
誰々さんとこんなことしたよ〜」
と、とても嬉しそうに話してくれたそうです。

その時の楽しかった時間の写真たちが、妹の携帯の写真アルバムにたくさん収められていました。

笑顔のお友達たちや、その時の景色や風景。
その時に着て行った自分の服装なども記録。
行ったお店や食べたものもたくさん撮影していました。
そんな写真を一部抜粋して、プリントさせていただきました。

写真は私の息子たちに貼って貰いました。
妹の大好きな甥っ子たちです。
21歳と14歳です。
パネルに貼った後は、妹の推しのグループ【WONK】のアルバムジャケットをデザインしたスカーフを添えました。

会場内にはWONKのアルバム曲を流しました。
お友達と他県にまでライブを見にいくほど、大好きなジャズ系ソウルバンドです。
(この表現が正しいのかは不明ですが💦)

病気で体調がすぐれない時も、彼らの曲で本当に励まされたと、携帯の中にはメモも残っていて、それも姉の私の一存ではありますが、プリントさせていただき、掲示しました。

去年の時点のメモです。

今回葬儀に流させていた曲は、このメモにある
【FLOWERS】とは違いますが、一番辛い時、
妹の心の支えになった曲だったようです。

その後に発表された楽曲【Umbrella】も妹は大好きだったと、ライブ友達に教えていただき、通夜と葬儀の会場で流させていただきました。

そして、横に添えられている食べ物メモは、今年に入って、体調が悪くなり始めてからのもの。

抗がん剤の副作用は想像を超えるもので、妹は常に胃腸に大きなダメージを抱えていました。

また今年に入ってからは、肝臓の転移部分も徐々に広がって来ていたと思われ、少しでも肝臓を労わるためにと、脂質の高いものをできるだけ控えていました。
炭水化物が多いものも、代謝に負担がかかるからと、食べる量を減らすようにしていました。
でも本当は、お腹いっぱい食べたかったんだと思います。

好きだったお酒やコーヒーは飲めなくなりましたが、替わりに飲み出した紅茶が大好きになった、と言っておりました。

しかし、食べ物ではなかなか飲み物のようには、いかなかったようです。抗がん剤を打つ度に、味覚障害も度々起こしていました。

この食べものリストはたぶん、

【お腹いっぱい食べたいものリスト】

だったのではないか?と思われます。
食いしん坊の妹が治療に頑張れたのも
「みんなと美味しいものを食べたい」
ということもあったと思います。

誰といつ何を食べたかも、よく母に話していたそうで、美味しかった店には、私や母を連れて行ってくれたことが何度もありました。

たくさんの写真たちが、妹のかけがえのない大切な時間を物語ってくれています。

ここ数年は肝機能の低下で、浮腫むことが多くて、それをとても気にしていたので、なかなか一緒に写真を撮らせてくれませんでした。
昔は妹も一人で出かけた時は、セルフィーで撮っていたりしましたが、最近は全く撮っていませんでした。

なので、最近の妹自身の写真がほとんどありませんでしたので、新しいもので1年前くらいの写真です。

もっともっと、一緒に撮っておけばよかった。
甥っ子たちも残念がっておりました。

スマートフォンに入っている写真もまた、機会がありましたらご紹介したいと思います。

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