ソシャゲおたく、タイドラマを観る

拙者しがないソシャゲオタク。思えば遠く来たもんだ。これは備忘録。


あれは某イケメンソシャゲにピー万ぶちこみすべて溶かした夜のこと。フローリングに寝っ転がって「推し、出ねぇな」などと(マジで)虚空に向かって呟きながら独り天井を眺めていた。

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うちの天井。


とはいえ溶かすことは初めての出来事でない。課金に慣れると面白いほど感覚が鈍ってくるので、自分が溶かしたものの存在を記憶から消してすぐに忘れる。あと推しが出れば忘れる。とにかく忘れるのだ。おかげさまで翌月の請求額に目玉が飛び出るわけだが、それはそれ、これはこれ。悪いことなど覚えていたって精神的によくない。こういうときは過去を振り返っちゃならない。深く考えてはいけないことを私は知っていた。…………ギャンブル中毒? 聞こえません。

それはさておき。(はい忘れよ)

その夜の私は、床と平行になりながらTwitterを見ることにした。案の定、タイムラインに並ぶ阿鼻叫喚地獄絵図を(類友とはよく言ったもので、私のフォロイーたちは基本的にみんな出ないのだ、嗚呼かわいそうに)ススーッと指で流し、眺める。そのなかでふと目に留まったのが「おやつを持ってきたら、胸を揉ませてやる」などとのたまうすっきりした男前と、えらい造形美の男前が並んだ画像だった。


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おっぱいに 執着するって なんですか

我、心の俳句。


どうやらそれらの画像は、タイ生まれのボーイズラブを扱ったドラマらしいと知る。(のちのち原作商業BL小説があるとを知り、タイのBL界がとても豊かであることも知るがそれはまた別のお話)

思えば、以前からたびたびタイのドラマをおすすめするツイートを見かけている。

たしか赤い服を着たお兄さんと白シャツのお兄さんの写真とか……

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あとバチボコケンカップルだけどむちゃくちゃキッスするドラマがあるとか……

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これじゃないみたいだけど……ね!()

その夜の私は、一抹の虚無を晴らしたい気持ちでいっぱいだった。

溶かすことに慣れていたって喪うものには慣れないんだよ!!!!!!!!!!!

振り返るな!! 前を向く!!!! 前を向くからドラマを見る!!!

無料・日本語字幕付き・YouTubeで見られるとな??? マジか!(字幕をつけてくださるたくさんの神様に心から感謝しております。お忙しいなかありがとうございます)

諭吉をとろんとろんに溶かした私に〝無料〟ほど魅力的な言葉はなかった。っていうかタダという言葉を訝しむことはあれども、完璧に嫌いな人はいないと思う。

そしてそのままタイトルを調べ、Youtubeへ行き、見始めたのが現在爆発的人気をぶちかましている2getherなわけだ。 

 

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これは初期の。


サムネイル出てる? かわいいねぇかわいいねぇかわいいねぇ……あっ自我が。

システムに慣れていない私は、日本で言うところの1話分(Ep.1)が4分割されていることに気が付かない。なんでこんなに多いのだ???!! 朝ドラ的に15分刻みなのか? なんで登場人物みんな白シャツなんだ? 字幕ってどうやって出すんだ? あっ出た! 出たな! オッケーよくわからんが観よう。ペアを探してるのね、ふーんなるほど? めっちゃ好かれちゃうね、わかるよ~シュッとした顔立ちだよねぇ。あっ出てきた男前! あれなにもはじまらない? えらいこっちゃなこと言っちゃったよも~~ターーーーイ~~~ン(名前)


……

…………


あ、あ、…………朝~~~~!!!!!!!


おはよう太陽。肌の曲がり角年齢などとうに過ぎきっているソシャゲおたく、ドラマを見続け朝を迎える。

世はコロナショック、自宅待機多発ゆえに私にも時間が余りあるほど存在しており、そろそろ持て余し始めた頃だった。正直最近は徹夜をすると『やってしまった……もうそんな年齢ではないのに……』と後悔するのが常であるが、その日の私はむしろ若返りを感じるほどに興奮していた。

面白かったのだ、すごく。

ドーパミンぶっぱ状態である。止めどきがわからないほどテンポが良く、また嫌みがなかった。BLというものを人生の半分以上嗜んでいる自分は、日本で実写化されたものに対する期待と結果の相違をそれなりに味わっている。(仕上がりがとても良く、喜んだ作品もあるが多いわけではない)

この、2getherというドラマには嫌みがちっともなかった。

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これ好きなシーン。

もちろん、顔の造りのよい主演ふたりの映像としての仕上がりや、そこに惹かれた節はおおいに(おおいに!)ある。素直に言うさ。嘘はついちゃならんさ。

主演二人の顔が良すぎる問題。見よ!


けれども、顔のよさを差し引いたとしても、ストーリーが楽しかった。脇を固める俳優陣の味ある演技もよく、みな魅力的だった。

私の好きなFong役:Khaotungくんを載せる。

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そう、演技がいい。翻訳はされており、日本語字幕で見ているわけだが、ふとしたとき画面に映るその表情の微細な移り変わりが素晴らしかった。

例えばSarawat(攻め)のふとした物憂げな表情が、不意に子どもっぽい笑みに変わる瞬間や、Tine(受け)の拗ねたり一喜一憂したりする百面相のような姿が非常に魅力的であった。これをまだ現役大学生たちが演じている、等身大ありのままの姿であることがまた良い。いや〝まだ〟大学生だからなどといったフィルターで通さずとも、じゅうぶんなほどの演技力だと私は思った。(そもそもまだ大学生である事実に驚くんだよ!! 大学生!? 現役!? なんてこった)

言語が分からなくても、表情が訴えかけてくる。 

何言ってるかミリも分からないのに、悲しいのも辛いのもうれしいのも楽しいのも私には分かった。

当たり前だが当時の私はタイ語がわからない。せいぜい知っているのは「サワディーカー」くらいのものだ。小学生の頃に『世界のあいさつ一覧』みたいなもので学んだきり。タイに対する知識もほぼゼロに等しい。王国であること(おたくなので王国に憧れがある)、自分が格闘技を好きなのでタイ=ムエタイだとか、あとは好きなグリーンカレーのある国、など。それと通貨がバーツ! 失礼なほどにタイを知らなかった。

知らなくても! 楽しめた!


知らなくても楽しめてしまうBTS。2.5でいうところのバクステ。タイのドラマめっちゃバクステ見せてくれる。心のゴリラがドラミングする。


まさか馴染みのない国、知らない言語のドラマを、まさかここまできちんと真剣に観られるとは思わなかった。いやフランス映画とか韓流ドラマとかも観るけどタイへの知識よりはもっとある、根本的な知識とかいろいろ。

とにかくなーーーーーんにもわからん自分でも、楽しい!! それほどに2getherはキャッチーで、カメラワークや脚本も含めたドラマとしての完成度や、キャストの演技も良く、あっという間に私から前夜のことを忘れさせてくれた。(ベホイミ!)

(あえてこの言葉を使うが)〝萌える〟のはもちろんのこと、純粋な〝楽しい!〟思いを私は得た。

具体的になにがどう、となるとそもそも萌える経験をしたことがあるかどうかの生きてきた土台や素養があるのかも大きな差となるが、少なくともSarawatとTineが可愛らしくいじらしい恋をしているのは誰の目にも明らかであり、それらを見守る気持ちは誰しもに生まれるものではなかろうかと私は思う。

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並走したりするしね(?)

ふたりの恋の行く末を、関係の在り方を、互い想いを行き交わせるやり取りを、私は素直な気持ちで見た。ありがたいことにリアルタイムでドラマ放送を見届けることも叶い(GMMさんありがとう)、最終回も観ることができた。おめでとう、うっうっうっ……。それからSTILL2GETHERをありがとう!!!!


ねぇねぇモノクロームロマンス文庫さん、タイのY小説を日本でも翻訳出版されませんかね。どうですかね。読みたい小説山ほどあるんです!!!!!



これが私がタイドラマを観るに至った顛末。

そこから転がり落ちるように、タイのYドラマを観まくっている。(このYは〝やおい〟のYらしい。やおい本来の自虐的意味合いが、山なし落ちなし意味なしであるとは思えないほど、たくさんのYドラマから色んなことを感じた)芋づる式にどんどん見るものが出てくる。いや~~いっぱいある!!!! GMMの作品を多く観てるけどそれ以外にもいっぱいある!!!

あとYドラマに限らず、面白いドラマはたくさんある。The Gifted観た?!?! 二期楽しみすぎて禿げそう!!!!!!

ありがとうありがとうありがとう世界。そして翻訳してくださる方々に多大なる感謝。

英語をきちんと勉強しようと思ったり、ちょこちょこタイ語も理解出来たらと努力しはじめたり、私自身にも変化が起きている 。ドラマっちゅ~最高のスピードラーニングあるしな!! 人生が薔薇色~!!! ハッピーゴーラッキー!!!! 毎週グローバルファンミーティングでものすご充実してる!!! 知らない動画やバラエティー番組いっぱいある!!!

感謝感謝大感謝!!!!!!!!

これ大好きなLINETV AwardsのときのGunくん番組。


追伸:ソシャゲ課金はまだ続行だよ!