見出し画像

ここだけは誰にも負けない

自社ブランドを持つ、ダーツのメーカーに勤めている私。(もうすぐ辞めるけど)

ダーツもスポーツの一つだ。

プロの選手を抱えている、つまりスポンサーだ。

可愛い女性選手もいる。実力は伴わないが、可愛いから商品が売れる選手も、やっぱりいる。ブログやインスタグラムでのフォロワーをどんどん伸ばしている。

元々イケメン枠で顔は良くて、実力はあっても、結婚して落ち着いて太ってしまい、全く商品が売れない選手もいる。太ったということよりも、売ろうという気も無さそうだし、ファンを増やす努力も見られない。SNSなどもほとんどしていない。

スポンサーの私たち側としては、やはり商品を売ってくれる選手、宣伝力のある選手が貴重。

ちなみにうちの看板選手は、かなり親しみやすい男性。

実力も日本代表のトップレベル。

見た目はそんなにイケメン枠ではない。笑

でも、おちゃめで大人気。その選手のモデルの売り上げは、うちの商品の中でダントツだ。新商品が出たら、どのショップからも注文殺到。本人に入る数パーセントのロイヤリティ(印税のような)だけでも、かなり稼いでいる人。

女性と違って男性は、完全なる実力勝負なのだな(実力だけでもまた無いのだろうけど)、と感じる。いくらイケメンだろうが、実力のない選手は、名前が上がってこない。需要が違うのだろう。

ダーツ界自体が、圧倒的な男性市場だということも関係しているのかもしれない。「強い」男性に、皆憧れるようだ。ダーツが強ければ、何をしても尊敬され、かっこよく見えるのだろう。

何にせよ、得意なことを持ってる人は強い。

それを自覚している人は猶更。

だけど、そういう”すごい人”も完璧ではなくて。

ある分野に秀でていればいるほど、苦手分野が足を引っ張るのを感じることもあるだろう。

表舞台で光り輝いている役者さんが、私生活では離婚を経験し、その後がんを宣告され、壮絶な闘病を乗り越えた過去があることを知った。

あんなに人気があって、魅力的な人でも、望むものを全て手に入れてはいない。

「がんになったことよりも、離婚の方が辛かった」という言葉が印象的だった。

やるせない。

舞台上しか知らないけど、それでもあんなに素敵で、沢山の人に慕われている人なのに…。発症は離婚の後だったみたいだから、病気は原因ではなかったよう。

人生は…理屈じゃない。

知名度をいくら上げても、お金を稼いでも、人は孤独なのかもしれないし、全人類に羨ましがられているような人でも、本当に欲しいものを手に入れているかというと、それはまた別の話なのだ。

分野が違うからだと思う。

得意分野では、彼らはトップレベルの実力を持つ。

だけど、他の土俵ではそれは、通用しないこともあるのだ。

どれだけ、ある場所で活躍して、一目置かれて、誰もが絶賛する力を持っていたとしても。

たとえば、恋愛が上手くいくかどうかは別だろうし。

(続く)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?