飲み会というものにほぼ行かない。性格は内向型で友達も少ないため、誘ったり誘われたりすることもない。
 ところが、珍しく声をかけてくれる人がいて、コロナ禍以来4年ぶりに友人らに会って飲むことになった。その場所が日本橋高島屋の鼎泰豊であった。有名な台湾料理店ということだけは知っていたが、自分には縁のないレストランだと思っていた。
 その店での会食である。そのために体調を整え、どこへ行くにもKN95マスクをし、手洗い・鼻洗浄・うがいを励行してきた。コロナ後遺症等で通院が多いため、日頃からそうしているのだが。
 というわけで当日になった。メニューはこちら。

本日前菜3種盛り
鶏肉の唐揚げユウリンソース
青菜の炒めニンニク風味
小籠包( 豚肉 )4 個
ピリ辛ゆでワンタン
肉絲と青梗菜の塩炒め
タンタン麺
杏仁豆腐

YUTAKAコースhttp://d.rt-c.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/a5corse02.pdfより

 これで3500円(飲み物別)。夜の外食をしないので贅沢なご馳走であった。
 メニューを見て、一番楽しみだったのは看板メニューの小籠包ではなく、「青菜の炒め」だった。町中華であっても中華料理店に行くと、わたしは必ず頼む。プロがつくる青菜炒めは驚く美味しさなのだ。
 この日もそうだった。青菜をしんなりさせずにシャキッと歯ごたえを保ったまま、油で火を通すなどという芸当は、やはり中華料理コンロの火力とシェフでないと実現できない。
 もちろん、もう少し後から供された(肉絲と)青梗菜の炒め物も「塩炒め」の美味しさを存分に堪能できた。しょうゆが好きなので、ふだんあまり「塩」味のものを食べないのだが、プロの味はもちろん素晴らしかった。
 もうひとつ言及したいのは、デザートの杏仁豆腐。去年までは外勤だったので、いわゆる「町中華」で時々昼食をとっていた。そうした店では、サービスのデザートとして「杏仁豆腐風牛乳寒天」が出てくることはある。しかし、「本物の」「杏仁を使った」杏仁豆腐を口に入れたのは、おそらく人生で数回しかない。この日が、その数少ない1回となった。
 家酒はやめたが、この日は「外食」ということで、自分に「飲みOK」と許可していた。デザートまでの間にビール(中ジョッキ)とレモンハイ3杯を身体に入れていた。
 アルコールが入っていると、最後の甘いものはとても贅沢だ。会食の終わりを飾ってくれた杏仁豆腐は、口当たりも、そして胃にも優しかった。杏仁の香りがして、上に乗っているクコの実も柔らかく「そうか、ここは鼎泰豊だったのだ」とあらためて感じさせてくれた。
 これで今年の忘年会はおしまい。飲み会というものに行くことも当面ないだろう。美味しゅうございました、ごちそうさま。

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