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校正・校閲・翻訳校閲

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校正・校閲・翻訳校閲についての情報、思っていること、書籍から得た知見などをまとめています。
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#校閲者

ダブルのミスはおそろしい

  先日、こんなような文言があった。 This means we can save 1,400 cubic meters of water.…

セルフ校正のポイント――(3)

 先日の投稿 ↓ の続き。  「見る」の次は、心理的な機能を考えてみよう。  心理面で校正…

セルフ校正のポイント――(2) 経験値を積むことと「見る」こと

 (1)ではプロセスについて書いた。文字、ファクト、内容の整合性と、工程を3つに分けて見てい…

セルフ校正のポイント――(1) プロセスを3つに分ける

 校正・校閲とは、原稿の誤りを見つける作業である。わたしは職業としてやっているが、最近は…

稲泉連『「本をつくる」という仕事』~感想

 本に関連した八種類の職業人へのインタビューから構成された、全七章の本。第一章は活字、第…

自分が校正した本を買う

 「校正業界のよくないところ」として、X(旧ツイッター)上にこんなポストが上がっていた。 …

校正者にとって一番の勉強

 先日、他の校正者が校正したゲラを見る機会があった。ちなみに一切の守秘義務違反はなく、当該組織のルールに則った上で見せてもらったのである。  これが「すごい」ゲラであった。  まず、文字が「整然そのもの」である。字の大きさが揃っていて、きっちりまっすぐ、定規で測ったように縦書きの行もう横書きの行も揃っている。小さくて細かい文字なのに見やすい。  図表の書体やポイント数の混在を簡潔にわかりやすく、そして他ページの参照も入れて読みやすく指摘している。  ルビの指定もとてもわかりや

JATでスピーカーを務めます

 本日は宣伝です。  JAT(日本翻訳者協会)セッションにてスピーカーを務めることとなりまし…

出版(翻訳書)の翻訳チェックで思うこと~いちばん多い誤訳は?

 書籍の翻訳校閲をする場合、翻訳チェックと校閲にプロセスを分けている。以前こんな投稿もし…

上原弘二「1冊の本が出来上がるまで――編集者から見た翻訳者という仕事」JATBOOKセミ…

 前投稿 ↓ の続きを書く。  今度は校正(校閲)について。当日、講師から校正についての話…

ミスのない翻訳チェックをするために~JTF Journal 2017 07/08号 寄稿記事より

 エージェントチェッカー生活が長かったせいか、いまもわたしにはチェックが回ってくることが…

著者の個性かミスなのか。校正者はどうすべきか

新聞社は「ら抜き言葉」をどう扱うか  X(Twitter)で「ら抜き言葉」を校正者は指摘するかど…

2023サロン・ド・オンビキヤ

 校正者の友人、音引屋さんの作品展示即売会へ行ってきた。  音引屋さんとは6年前、ある校…

校正紙(ゲラ)を汚すということは

著者にとって校正紙(ゲラ)とは  数日前から、校正者界隈で話題になっていることがある。  元々は、著者校で「ネコにかじられてしまいました。すみません。」と付箋が貼られたゲラの写真を、編集者が「猫さんも校正しようとしてくれたんでしょうか」とX(旧Twitter)にアップしたのが始まり。どう見ても「和みネタ」としての投稿であった。  この投稿に、ある校正者が「著者本人のゲラだったから微笑ましい事件扱いされているけど、校正者がお預かりしたゲラだったら絶縁されるよね」と、エアリプし