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レポート:東京ゲームショウ2023でのVR関係の展示

9月22日(金)に東京ゲームショウ2023に行ってきました。コロナでリアル開催が2年間途絶え、昨年はありましたが行かなかったので、私としては4年ぶりの参加です。4年前の2019年の時もレポートを書きました。4年後の今回はどう変わったでしょうか。

VR関係の会場は4年前と同じ、北ホールのHall 9です。昨年のTGSは北ホールは使われず、本館のみのHall 1-8までだったのでVRのブースもそちらでした。4年ぶりに本来の形に戻ったとも言えます。まず以下に見学・体験した展示について書きます。

ソウル・コヴェナント

PlayStation VR2、PC、Quest 2向けに発売予定のVRゲーム。ソウル・サクリファイスのスタッフが作ったゲームということで注目していて、PSVR2で体験できました。PSVR2のゲームにはホライゾンなどハイクオリティなものがあり、それと比べればこのゲームは、Quest2でも動く仕様なのでテクスチャなどは荒いです。でもVR空間で戦うという設定?なので多少荒くても気にならないかもしれません。その設定を生かしたSFホラー風のストーリーはドラマチックで惹き込まれます。
ボタン操作だけではなく、体の動きでビームを撃ったりするのが能力者になったようで良かったですね。楽しみなゲームです。

DPVR E4

最近日本でも発売されたというVRゴーグル。Quest2のような独立型ではなくPCが必要なタイプです。体験は、VRチャットに入ってVRチャット内のガイドさんに使い方を案内してもらうというものでした。いい声の方だったのでVTuberさんでしょうか。
見た目が似ているQuest2と比較すると、ベルトがしっかりしていて使いやすいです。ゴーグルが上にフリップして、いわゆるデコメガネのようにできるのは便利そう。視野角は広めに感じました。しっかり作られているので、SteamVR互換のゴーグルが欲しい場合は選択肢になりそうです。

PICO

PICOはQuest2風の独立型のVRゴーグルで、VRエリアで一番大きなブースを出していました。以前にも体験したことはあったのですが、せっかくなのでゲームを遊びました。マジックストーンガーディアンズというタワーディフェンスゲームで、Quest2にもあるものですが、なかなか面白かったです。
PICOはやはり画質はよいですね。画期的というほどではないけど、Quest2より視野角や精細感が少し良い感じがします。

RAZBAM JAPAN フライトシミュレーター

チェコの会社が開発したミリタリースペックのゴーグル、およびフライトシミュレータ用のコントローラーです。実際にフランス軍などで使われているとか。ソフトはDCSなので普通のフライトシムですが、ゴーグルの視野角がとにかく広いですね。フチが全く見えない。操縦かんやラダーペダルなども雰囲気充分ですが、操縦かんをいっぱいに引いてもループできない設定になっていました。ロールはできました。
これはいわば本物のフライトシミュレータですから、貴重な体験でしたね。プロ用と民生品が近づいているとも感じます。

noflio 無線化アダプター

noflioというメーカーの製品で、ゴーグルはVALVE Indexですが、それを無線化するアダプターが出展されていました。また、足と腰につけるフルトラッキング用のセンサーもありました。それらを装着した状態でバーチャルキャストを体験できました。
足のセンサーは脛あたりに付けることが多いですが、つま先も良いですね。細かい動きをトラックしてくれる感じがします。無線アダプターはそれほど重くも感じず軽快でした。バーチャルキャスト内に何人かいて、遊び方などレクチャーしてもらえて楽しかったですね。

歩行型VRデバイス KATVR

体験するために一番並んだのがこちら。台の上で足をすべらせることで歩行を再現します。また腰がフレームに固定されていて、体が向いている方向に動きます。これで体が向いている方向が認識されるため、より動きが自然です。パルクール(障害物競争)のようなゲームをプレイできましたが、とても楽しかったですね。これはいいな。
身体の向きを変えるのが若干重いのですが、これは仕方ないでしょう。体重をかけても大丈夫なようにガッチリ作られているので。VRはプレイヤーは周囲が見えないのが危険で、アミューズメントなどで使う場合も安全性に気を遣うのですが、これは固定されていて安全性が高いです。

bHaptics ハプティックデバイス

こちらの展示は4年前も見ました。その時は触覚フィードバックのあるベストでしたが、今回はベストに加えてグローブを体験できました。サイズが4種類ほどあり、手の大きさに合わせて選択されます。
使った感触(文字通り)としては、触覚というよりは震動ですね。震動素子が指先に入っていて、ものを掴んだり触ったりしたときに震動します。圧力があるわけではないので、実際に触ったと錯覚するほどではありません。ただ臨場感は上がります。使い方次第かなと思いました。

BAND SPACE

歩いていたら「遊んでいかないか」と英語で話しかけられました。VRのコーナーではそういうことが何度もあり、周囲では英語や中国語が飛び交っていて国際色豊かでした。
せっかくなので体験しましたが、ドラムやギターなどいろんな楽器がプレイできるという音ゲーで、けっこう演奏の雰囲気が出ていました。Quest2用でF2Pだそうなので後でダウンロードしてみます。

全体の感想

全体としてですが、4年前と比べて規模は同じくらいに感じました。ただアミューズメントや産業用途などの業務用が増えたかなというのと、VRChatやバーチャルキャストなどメタバース系を体験させる展示が目立ちました。一方でゲームの展示はやや減った印象があります。でもVRゲームの体験は他に代えがたいものがあるし、機器の性能は上がっているので、まだこれからと私は思っています。
4年前はVTuberと絡めた展示がいろいろあったのですが、今回はほとんど見られませんでした。4年前はVTuberは最先端だったのでVR機器と親和性があったけれど、今はVTuber文化が普及して普通になったためかもしれません。


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