見出し画像

なにわ筋線の列車は何両編成になるのかを考える②南海の列車について

前回の記事でうめきた新駅とJR難波駅からJRの列車が何両編成になるのかを予想しました。結局今ある施設を見る限り特急9両、快速8両という現状を全面的に踏襲する結果に落ち着きました。

次は南海線です。南海はかつて10両編成を高野線で運行していたこともあり、なにわ筋線に合わせて空港急行10両編成もあるかと思ったのですが…。
南海が乗り入れる区間については、施設保有会社である関西高速鉄道のホームページに認可図が上がっていますのでそこから見てみましょう。
http://kr-railway.co.jp/naniwa.html


認可図から駅の全長を探る

中之島駅

まずは中之島駅。中之島駅部の施工説明会資料11ページによると、工事延長は203m。

中之島駅部平面図
http://kr-railway.co.jp/pdf/210629nakanoshima.pdf 11ページより

南海電車の車両全長は1両20.7mなので、約9両分入ります。JRの一般形だとギリギリ10両入りそうに見えますが、過走余裕がなさ過ぎて万一入るにしてもそういった運用はしないでしょう。JR特急だと1両21.3mありますので、9両編成でも結構ギリギリです。

西本町駅

西本町駅は南方でJRと南海の分岐を行うので、工事延長は350mありますが駅部はその一部です。駅部平面図は施工説明会資料の10ページです。

西本町駅部平面図
http://kr-railway.co.jp/pdf/20210608_setsumeikai.pdf 10ページより

駅部躯体の長さが書いていないので、本図をもとにgoogle mapで計測すると…

西本町駅部の距離

約178m。8両編成は問題なく入りますが、これ以上は無理です。

南海新難波駅

南海新難波駅は縦坑を各方向2つ掘削してその間を駅部シールドで掘削する方式を取ります。これまた縦坑の位置は準備工事説明会資料等に記載しているのですが、駅ホーム延長まで書いていないのでgoogle mapで計測することにします。

南海新難波駅縦坑位置
http://kr-railway.co.jp/pdf/230515.pdf 14ページより


南海新難波駅北行駅部の延長
南海新難波駅南行駅部の延長

約171~174m。やはり8両分です。

結論

なにわ筋線については、南海線の列車は8両分を想定して建設されていることが分かりました。
惜しむらくは10両編成の目が完全にないことが今回の検証で分かったことですが、同じように郊外路線から直通する地下鉄線である堺筋線が8両で充分まかなえていることからこれで問題ないと判断したということでしょう。逆に現在の空港急行の一部及び特急ラピートが6両編成であることから6両分のホームで充分として工事費をケチることがなくて良かったと思うべきなのかも知れません。

それより気になること

①阪急うめきた駅

ところで、南海線系統は阪急新大阪線に直通して十三駅へ行くという話が出ているのですが、梅田からどうやって十三方面に線路を伸ばすのか、この話が全く聞こえてこないのが気になっています。
うめきた二期のビル群は現在建設の山場を迎えており、本格的な街開きに向かって私も期待が高まっているのですが、阪急関係の話だけがなんだか具体性を欠いている印象を受けます。
大林組ホームページのプロジェクト紹介でうめきた二期のことも大々的に紹介されているのですが、ここで薄く書かれているビル群を見ると阪急うめきた駅などまるで想定されていないことが分かります。

うめきた新駅の工事平面図
https://www.obayashi.co.jp/thinking/detail/project73.html より

これどうするんでしょうね…?うめきた新駅の北側はもう完成されていて、北側から分岐するとなると工事費が肥大すると思うんですが…。筑前橋筋延伸部(図中大阪駅北3号線)側に駅を作るんでしょうか…?

②南海の車両全長をJRに合わせるのかどうか

気になることはもう一つあって、なにわ筋線乗り入れ専用車両としてJRの寸法に合わせた新車を導入するかどうかです。
ここが南海電鉄社内でも未決定なのか、現在ホームドアの設置は高野線系統が中心で南海線系統は全くの未着手、導入予定も公表されていません。

これら気になることについては、また続報があれば調査したいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?