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天使が来る家

引っ越しして2週間。
荷解きは全部終わったものの
 



ここをホームと呼べるまでは
まだまだ長い道のり😅




奥さんは本当に必要なものだけ持って出たのか
それともうっかりしてたのか




日常の雑多なもの、例えば
シャンプー、タオル
調味料に食料品など




そういったものをわんさか
ここに残していった。




それを見るのが
パパちゃんは辛いらしい。




離婚→引っ越しが終わってから
パパちゃんはずっと
自分の中の重たい感情と向き合ってる。




いろんな後悔、努力
喧嘩した日々
ハッピーだった思い出




結婚となるとお互いの家族や友達も
深く関わってたわけだし




その皆と良い関係を作るために努力したこと
それが伝わらなかった悲しみ




そんなものが一気に
襲ってきてるようだった。




私は最初は理解できなかった。
離婚を決めたのは彼なのに、
私との関係も復活したのに、
どうして苦しいのだろう?と。




不思議なんだけど
復縁してからというもの




私とパパちゃんのハートは
見えないパイプで
ガッチリ繋がってしまったようで




彼が味わってる感情の重苦しさが
全部そのままダイレクトに伝わってくる。




でももちろん、
何を考えてるかまでは
分からないわけで




それで余計に
私は苦しくなった。




「じゃあそのパイプに弁をつけて
逆流させて戻せw」とパパちゃんは笑う。




これは自分で作ってしまった苦しみであり
負荷なので




私に背負わせたくないし
自分で苦しみたい、
全部味わい尽くしたいと言った。




そこはパパちゃん、
10年前からすごく成長したと思う。




以前のパパちゃんは、苦しみに蓋をするように
酒を浴びるように飲んだり
パーティーに行きまくったり




目を逸らすことで
忘れようとしていた。




でも今回は
自分でちゃんと向き合おうとしてる。




毎朝、親友とウォーキングしたり
日曜には教会に行ったり、
セラピーを受けたりして




前向きに、健康的に
乗り越えようとしてる。




私は、その苦しさがわかる分
なんとかしてあげたくて
ヒーリングしたりしてたんだけど




許可をとってるとはいえ、それは
余計なお世話だったのかもしれない。




だって味わい切るからこそ
そこから学んで次に行けるのだ。




彼の成長の機会を奪うことは
愛してるからこそしたくない。




それにそこには
”早く奥さんのことを過去にして、切り離してよ💢” という
私の浅ましい願いも
少なからず含まれていたことに気が付いた。


(だからと言って
自分を責めたりはしないけどねw)




私はパパちゃんから流れてくるエネルギーに
だいぶ困惑してた。




どうして決意したのに悲しむの?
まだ感情が残ってるの?
じゃあ私とのことは何?
私はただのヒーリングマシンなの?




思考はどんどんネガティブになり、
悲しくて泣いた。




それに気づいたパパちゃんが声をかけてくれ、
私たちはゆっくり2人で話した。




正直に心の中を伝えると
パパちゃんは




私とのことは、体だけではなく
気持ちも当然あり、
それが抑えられずにこうなったのだと




だから、奥さんのところに戻るかもしれないって
心配してるなら
それは絶対ないよ、と言った。




私とのことはリアル。
でも、離婚に伴う寂しさや申し訳なさ、後悔
彼女と一緒に飼ってた愛犬と会えなくなった悲しみも
またリアルなわけで





どちらも同時進行していて
彼自身、困惑してるし
とても苦しいのだと。




・・こうやって言葉で気持ちを
伝え合えるようになったことも
私たち、お互いに成長したなあ〜と思う。




その夜、私はベッドの中で
パパちゃんの頭をずっと撫でていた。




幼稚園で子供たちを寝かしつけるときに
するみたいに




愛情を込めて
指を滑らせた。




でも、子供たちの時と違うのは
指先が振動でビリビリしていたこと。




まるで光って教えるみたいに、
エネルギーが次に触れるべき場所を伝えてくれる。




私とパパちゃんは、指先と、頭の感覚だけに
全神経を集中していた。




パパちゃんのエネルギーが
どんどんゆるまっていくのが分かる。




こんなに時間をかけて
丁寧に誰かに触れたのは
初めてだったかもしれない。




なんでそうしたのか
自分でもわからなかったけど




ヒーリングって、
癒やそうと思ってするものではなく
こんな風に、自然と起こるものなのかもしれないね。




「体だけじゃないよ」
またパパちゃんがつぶやいた。




それを証明したくて
今日は自分からは私の部屋に行かなかったんだ
と言ったので、吹き出してしまった。




(珍しく来なかったので、私からパパちゃんの部屋に行って
それでこのヒーリングが始まったのだったw)




元旦、パパちゃんが帰った後
私は掃除と家づくりを再開した。




物が多い家・・
あと何ヶ月かかるだろう?




息子がパパちゃんと奥さんと
遊園地に行った時の写真も出てきた。




最初はチクッとしたけど、見ているうちに
息子を我が子のように愛してくれた彼女に
心から感謝の念が湧いてきた。




彼女は、息子をパパちゃんの一部として受け入れ
愛することを決めたのだと思う。




パパちゃんとちゃんと話した後だったから
軸が自分の中心に戻ってる。




愛の理解が
自然と降りてくる。






私も同じようにしたいと思った。
彼女は、大事なパパちゃんの一部なのだ。




同じように、パパちゃんもろとも
愛せばいい。





切り離さなくていいんだ。
それに気づけた時、
やっと苦しみが遠ざかっていった。




この家は、パパちゃんにとって
とても大事な場所。




自分で配線し、手入れをし
大事に育ててきた家だ。




この家は
パパちゃんの心そのもの。




奥さんの思い出の品が
まだ混在する。




そこに今は
私と息子が住んでいる。




私は、この場所をパパちゃんの心だと思って
きれいに掃除し、
時間をかけてゆっくり
一つ一つ手放せるものを手放して




彼が帰って来たいと思うような
新しいホームを作ろうと思った。




彼の苦しみに、根気強く
寄り添おうと決めた。





そんな今日、元旦は
久しぶりにきれいに晴れた
暖かな日で




外に吊るしたサンキャッチャーが作る虹が
部屋の中まで入ってきて
光を溢れさせていた。




まるで、天使がたくさん
入ってきているみたいだった。













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