偉大なマスターたちが教えてきた、たった一つのこと

人類の歴史を通して偉大な師たちは、どんな言語であろうと、どんな時代であろうと、繰り返し、繰り返し、たった一つのことしか教えていません。そして彼らはみな、シンプルにそれを述べています。「強いアトラクターのために弱いアトラクターを放棄せよ」ということです。
デヴィッド・R・ホーキンズ 『パワーか、フォースか 改訂版』p.192

アトラクターとは、意味がないように見える大量のデータから生じた確認できるパターンのことです。といっても、それだけではよく分からないかもしれません。言いかえると、物事の背景に潜んでいる目に見えない力のパターンということです。

わたしたちの身の回りの世界で起きるさまざまな出来事は一見、まったくランダム(無秩序)に起きているように思われます。ですがこのような無秩序な現象のふるまいについて、高性能なコンピューターを用いて膨大なデータを解析したところ、そこには必ずなんらかのパターンが存在することがわかってきました。それがいわゆるカオス理論と呼ばれるものです。

人間の意識の背後にも、そのようなアトラクターが存在します。それはたとえば「恥」や「恐怖」や「プライド」、あるいは「愛」や「平和」と呼ばれるものです。先日作成した図表における『意識レベル』と記された箇所に書かれているのが、それです。アトラクターには強いパワーをもつものと、弱いパワーのものがあります。強いアトラクターほど、高い意識レベルで測定されます。人の意識レベルとは、その人がどのようなアトラクターにもっとも影響されているかを表しているといえます。

「強いアトラクターのために弱いアトラクターを放棄せよ」とは、たとえば「悟りを得るためには欲望を諦めよ」という禁欲の戒めや、「ほんとうの愛が欲しければプライドを捨てなさい」という風に言いかえられます。そういう意味で、すべての真のマスターはみな同じことを言っている、というわけです。

もっとも、低いアトラクターを放棄することが、まず簡単ではありません。そのためにまず必要なのは、自分がそのようなアトラクターにひきつけられてしまっていること、欲望なら欲望、怒りなら怒りに囚われてしまっていることに『気づく』ことです。

気づきは、変容の第一歩です。そして、ホーキンズ博士も本書で述べているとおり、こうしたメカニズムを知ること、つまり『パワーか、フォースか』のような本を読むことは、気づきそのものに他なりません。アトラクターについて知り、理解し、自己について鑑みることで、意識レベルを上昇させることは可能です。

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