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【れぽ】ガウディとサグラダ・ファミリア展

▷ガウディとサグラダ・ファミリア展

先日、東京国立近代美術館で開催されていた「ガウディとサグラダ・ファミリア展」に行ってきました。
今回の展示では、ガウディの類まれなる発想の糸口からサグラダ・ファミリア建築の歴史までが詳細に語られています。
来場者が多かったことや展示品の多さなど相まって、なんと見終わるまでに約4時間半ほどかかってしまいました。
それでも、学ぶことが多くとても有意義な時間になりました。
この記事を読んでくださる皆様に少しお裾分けします。

▷アントニ・ガウディ(Antoni Gaudi)

ガウディは言わずと知れたスペインの建築家です。
サグラダ・ファミリアを中心に、様々な独創的で前衛的な建築物を数多く手がけています。
そんな彼が特に大切にしていたのが「歴史」「自然」「幾何学」の3つです。
「歴史」は過去の建築や他国の建築を熱心に学び、それをもとに自分の発想を組み合わせて新たなデザインの建築物を創造すること、「自然」は自然界をよく観察しそこからデザインを生み出すこと、「幾何学」は自然の中に存在していて調和の取れた幾何学を建築に応用することを表しています。
イスラム建築やゴシック建築、バロック建築などを取り入れた建築物からとても勉強熱心であったことがうかがえます。また、ガウディの建築物には特にイスラム建築と草花や動物を組み合わせたものがあり、自然を重んじる姿勢がこういった箇所に現れていると言えます。

先に挙げた3つのポイントの中で私が特に注目したのは「幾何学」です。

ガウディが設計したねじれのデザイン


幾何学というと漠然とむずかしいものだと思ってしまいがちですが、実はガウディの幾何学的デザインは理解してしまえばそれほど難しくないものがほとんどなのです。
例えばねじれのデザインです。これは一見複雑そうに見えて実は同じ図形を角度を変えながら上に重ねていく方法で規則的に作られています。
このように規則的にデザインされていることで、後世の人々が理解し再現することができるのです。

▷サグラダ・ファミリア

サグラダ・ファミリアの建築家として知られるガウディですが、実は2代目の建築家です。最初の設計者のデザインをもとにガウディが改修したり増築したりと徐々に今の形に近づいていったのです。現在のサグラダ・ファミリアはガウディの亡き後、彼のデザインをできる限り踏襲した後世の建築家たちのアイディアも加わり成り立っています。
ここで特に注目したいのは、聖堂の内部のデザインです。
元々ゴシック建築の特徴である、内部を森のようなデザインにする樹木構造という様式があります。これを生かして、ガウディはさらに自然を取り込むため、ステンドグラスや柱の隙間などを効果的に使用し木漏れ日を演出したのです。こうすることでガウディのポリシーでもある自然を取り込むことを大きく表現しています。このような古き良きデザインを活かしてさらに発展させた点がガウディのサグラダ・ファミリアがネオゴシック建築と認められる要素の一つとなっています。

また、今回の展示ではサグラダ・ファミリアの模型や実際に少し前までデザインの一部として使用されていた彫刻などが展示されていました。実際に建築物の一部となっていただけに、とても荘厳な雰囲気で感動しました。

サグラダ・ファミリアの一部だった彫刻

▷むすび

ガウディやそのさらに前の時代から脈々と受け継がれ、建築が進められているこのサグラダ・ファミリアがついに2026年に最も高い塔となるイエスの塔の建設が終了し完成見込みとなっています。
実際の建築をみられたわけではありませんんが、今までずっと建築最中だったサグラダ・ファミリアが完成した姿を見るのは少し寂しくもあり、それでいて高揚感もあるなんとも言い難いドキドキ感があります。
建築には一部日本人の方も携わっているそうで、日本も他人事ではいられません。
私も今回の展示で今まで知らなかったガウディの建築背景やサグラダ・ファミリアの構造を知り、一度はスペインを訪れて本物のサグラダ・ファミリアをこの目でみてみたいと思いました。

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