IQは固定されてると聞きますが、「マインドセット」はいつでも変化できる〜「無敵」のマインドセット〜
「頭の良さ」自体はいつでも伸ばせます
なんだか、いずれベストセラーになりそうな予感がする著書『「無敵」のマインドセット』を読みました。
本書の主張は、原タイトルが「LIMITLESS MIND」ですので
マインドセットに限界はない。誰でも乗り越えるマインドさえあれば得意なものしかなくなるんだ!
ということを、300ページも満たない作品ですが、参考文献は実に136件も使ってガッツリ説明しております。
本書は数学・算数(最も勉強で「才能が重要だ」と考えられてる教科)を用いて、それがマインドセットが原因で解けないことが多いという証明をこれでもかとしている作品です。
本書の作者はスタンフォード教育学部教授である、ジョー・ボアラー博士で、TED講演もあるのでもしよかったらどうぞ。
本書はそんな「制限なきマインドセット」を全部で6ステップに分けており、そのステップは以下のとおり。
1.「天賦の才はない」と知る。天才は並外れた努力で生まれる。
2.「失敗したとき」の方が正解よりはるかに脳が活発になることを知る。
3.「有害な思いこみ」を捨てる。自分に制限をかけない。
4.「多次元アプローチ」で新たな視点を。色々なやり方で解いてみる。
5.スピードや暗記を重視しない。代わりに「深く柔軟に」考えてみる。
6.人とつながり、考えを共有する。「共同作業」でより高次元に。
ここ最近、『マインドセット「やればできる! 」の研究 』や『やり抜く力 GRIT』でも言われてきている通り
成長に限界が訪れること、あるいは限界に出会うことは滅多にないんだからやればやるだけ成長するよね
という主張がかなり有力になってきた気がします。
そして、本書で新たに得た知見で興味深いのが「2」と「5」ですね。
やり切った人が成功したり、成長(しなやか)マインドセットを持っている人が成功しやすくなる
みたいな視点はありましたが、
・正解と失敗の脳の活性度の違い
・頭の回転は、むしろ「遅い」方が創造性に富む
というトピックは、これまでの教育を否定できるインパクトがありそうな気がします。
知識がありすぎる危険性も浮き彫りになった!
これまでの学習方法は
とにかく知識を詰め込めば問題解決は速く正確になる!
みたいなアプローチで、学習ですべきことは「知識の蓄積」だと信じられておりました。
が、さまざまな研究から導き出された、高い成果をあげる人の特徴は
創造的で柔軟な思考を持っていること
でした。
このような思考は、皮肉なことに大量の知識で抑制されがちなことが分かっております。
では、柔軟な思考を持つために心がけておきたいことは
制限をかけないで自由にやらせること
そして、やったことの意味を説明すること
です。人生を生きるうえでも
・お金をそんなに稼がず、余暇を増やすアプローチ
・バリバリ出世してイイ暮らしをするアプローチ
・良い家庭を築くために仕事を選ぶアプローチ
などなど、人それぞれでやりたいことは違うんだから、しっかり自分で意味を実感しながら行っていくと創造的で柔軟に富むのでしょう。
実際、問題解決の快感は「誰も思い至らないアプローチで解けた瞬間」って感じがするので感覚的に納得でした。
本書は教育本としても、科学本としてもかなり優れてるし、
章の最後にまとめがあったり
実際に算数の問題を柔軟に解いてみるワークがあったり
と最後まで楽しんで読める工夫があって、とても素晴らしい作品だと感じました。
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