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休みの日はジョージ・オーウェルの作品を読もう!

ジョージ・オーウェルの作品が素晴らしい

オーウェル

最近、SF小説を読んでおりまして、中でも好きな作家はジョージ・オーウェル氏です。代表作は知っている方も多いと思いますが『1984年』です。映画にもなり、今尚読まれている不朽の名作です。

誰もが1回は読んだ方がいいし、映画もみた方がいいと言える作品なのですが、世界観がものすごく作り込んでいるし、作品としては長いので、フラットにジョージ・オーウェルの作品を味わいたいのであれば別の作品があります。

名前は『動物農場』です。100ページくらいで終わりますがその内容は人間のヒエラルキーの歪みを的確に示した本になっています。

簡単に話すと、怠け者で動物を私利私欲で扱う農場主に対して動物たちが一丸になって農場主を追い出し、動物たちだけで農場を経営していき、最初は動物たちが平等に力を発揮できるような体制を敷いていました。

しかし、動物達の中でも上下関係が明確に決まっており、上の立場にいる動物がどんどん都合の良いように法律を変えていき・・・(続きは小説を!)

この本を読むと、『社会構造の歪み』がよく分かります。SF小説ですが、リアルでもダイレクトに歪んでる環境というものはあるものです。

ジョージ・オーウェルの世界観〜全体主義への強烈な批判〜

ファシズム

「人間らしさとは何か」を生涯問い続けたジョージ・オーウェル。彼の自伝に『パリ・ロンドン放浪記』というものがあります。

もともとオーウェルは名門の学校を卒業したが、故郷のインド帝国で警察官になります。しかしミャンマーにおける帝国主義的な階級制度を盾に、上級国民が一般国民を虐げ、一般国民が他国民を虐げる・・・

その人造的な階級構造を嫌ってジャーナリストを志し、パリ・ロンドンのスラム(最底辺層)で2年間過ごし、現地への好奇心をルポルタージュに換えた人です。

外国人労働者としての視点でパリという街を描き、ロンドンでは乞食や浮浪者の話をして、貧窮に陥ることの退屈さ、遣る瀬無さ、精神の蝕みを鮮やかにイメージできるくらい巧みに描いています。

だからこそ、オーウェルは階級によって立場が生まれながらにして決まる「ヒエラルキー」というものに物凄く嫌悪感を抱いていたのかなと。

オーウェルの作品は、独裁国家や恐怖政治といった全体主義はやがてディストピア(反ユートピア)を生み出すような小説を描く作家でもあります。作品を通してメッセージ性があり、「こんな世界にしてはならない」と思わされます。

もし世界にこの環境しかないなら絶望しかない

ディストピア

ヒエラルキーは身近にあるものです。例えば、「会社」というものは縦社会の典型例かと。上に立つものの指針で全てが決まるといっても過言ではないほど、上が権力を握っています。

上の方が人格者なら最高ですが、もし人をアゴで馬車馬のごとくこき使うような会社ならそれはもう絶望しかありません。なんのために生きているのかも分からなくなります。

移動すること、乗り移ること、それは生き延びることなんじゃないかなって思えます。虐げたりすること、差別すること、マウントをとること、これらのことを平気でするような人には本当に関わりたくないものです。

オーウェルの作品はその世界でしか生きられない人たちがどんどん歪んでいく様がよく描かれていて、すごく虚しいです。その後に今好きに生きられるるこの世界に感謝の念を抱きました。


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