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【17:manika】子ども時代にかえってゆく。

毎週だれかが更新するメン再公開交換日記。
順番はチカム→manika→SEE→naruno→由末イリ
第17回はmanikaのターンです。

✖一番出くわしたくないもの✖
嫌いな人
🏫いますぐ思い出せる小学生の頃の記憶🏫
教室を走り回って頭を打ち、五針縫った事
⚔最近お気に入りのもの⚔
赤色のネイル

毎日、旅がしたいと考えてしまう。どれだけ忙しくても、お金が無くても、ほんの少しの悲しみや焦りと共にそう感じてしまう。

じゃあ旅が好きなのかと問われたら、そうでもないと答える。日々はそれなりに忙しいし、お金が無いから。準備も大変だし、かえる頃には現実を受け入れなければいけない。結局、少しの時間と共にその考えは落ち着き、この小さな部屋でパソコンに向かい、変わらぬ日々を繰り返すだけである。

それと同時に、私は一年の間に何度も旅に出ているとも思う。それらの大半はイベントへの参加やライブ鑑賞であるが、どれも忙しい時間に隙間を用意し、お金を払い、様々な準備をし、現実へかえる事を受け入れている。田舎から幾つかの交通機関を使い、目的地へ向かう。その度にそれを旅と呼んでも良いのでは無いかと思う。用事以外の時間は自由である。食事や移動、街並みを眺める事は旅行に於ける重要な部分と変わりない。その瞬間を楽しみ、また次の用事に少しの期待を持ち、現実へかえる。

だがそういう事では無いのだ。ほんの少しの悲しみや焦りを拭う為に、旅がしたいのだ。要は現実逃避である。アーティストであり、普通の人間である私にはそういった時間が必要なのだ。ノンフィクションの作品を産み出す為には代償が必要になる。過去の苦い記憶を引っ張り出し、未来への憂いに直視しながらどう避けるかを常に考える。作品へ落とし込むその過程で、ほんの少しの悲しみや焦りが残る。故にふとした時にそれらを拭う為に旅に出たくなるのだ。何処にあるかも知らない街に行き、名前も知らない店で食事をとる。終点の無い道を歩き、酒瓶一つ手に持ち海へ向かう。そんな場所があるかは分からないが、妄想でどうにかその欲を補っている。

ふと、思う。作品を産み出す事こそ、旅なのではないか。自分自身を代償にしつつも、叶わなかった事や教訓を込めて誰かに届くようにと願う。つまり、作品を産み出すのは自身の隙間を埋める旅である。隙間だらけの過去を作品で埋め、作品に思いを馳せる度にこの心が旅に出る。過去の記憶をなぞり、幼少期の自分を抱き締める。その繰り返しが自分を生かし、そして、あらゆることが、自分の子ども時代にかえってゆく。


拙くて長い文章を読んでいただきありがとうございます。



次は…誰が記事を書くんですかね__

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